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までドウゾ!

アルパ研究会というのは1991年から開始された任意団体ですから、もう10年以上の歴史があります。
最初はアルパを持つ人間の真面目な研究団体であって、その研究資料は数冊の本になったりしたのですが、その当時はまだアルパというスイス製の一眼レフが、まだ世の中に知られていなかった時代でもあり、それゆえに研究熱心であったわけです。しかし、時代の流れというものがあって、最近では誰もアルパなどに驚くようなことはなくなったので、この数年は月に1回のカメラおやじの親睦会になっております。

世の中の一般的な見方からすれば、会の進行が停滞していて、けしからんということになるのでしょうが、当方は最初から何を狙っているわけでもないのですから、それはそれで結構なことで、10年間会場にしていた佃から、最近は四谷荒木町のアローカメラの特設会場を使わせてもらうようになりました。

ところでアルパというカメラは1947年に製造が開始され、1970年代の後半まで現役であった、わずかに5万台ほどが生産されたスイス製の超高級一眼レフですが、その会社はピニオン社と言って、スイスの時計の部品などで有名な名前です。そこにジャック・ボルスキーという天才カメラ設計者、この人は映画撮影機のボレックス、そして1950年代には、アメリカ製の大衆カメラ、ボルシーで有名ですが、そのボルスキーさんの考案した一眼レフはボルシーレフレックス(これは販売網の関係でこういう名になった)という名でも登場した、ユニークな一眼レフです。

ここでユニークというのは、第二次大戦後にはまだ一眼レフというカメラの存在が、この先はどう進化するのか、五里霧中であったという意味で、今、アルパレフレックスを手にとって視ると、その外見はそのサイズも含めて「極めてライカににている」ということで、これは当時の「一般的なカメラのイメージ」というのは、ライカ以外にはかなり想像することが困難であったというのが、1940年代の「カメラの物質感覚」であったと言えるでしょう。

そのライカサイズのボデイには、当然、レンジファインダーが付いているのですが、これなら普通のレンジファインダーカメラであるところですが、そこにさらに内部にミラーを入れた所が偉いわけです。しかも内部のサイズは限られていますから、そのミラーの運動はなかなかに凝ったもので、まず斜めに跳ね上げられた後に垂直に引き上げられるのでした。

つまり、レンジファインダーと一眼レフの混血ですが、それはアルパレフレックスであって、そのカメラの上に「撮って付けたようなペンタプリズムを乗っけたのが、アルパプリズマレフレックスです。
もともとあの三角形のプリズムは、35ミリ一眼レフカメラを他のカメラとは異なるのだぞ、というデザイン上の強烈なサインですが、同時にカメラデザインの上からは、その目立つ三角形をなるべく目立たないように、ボデイに埋め込むのが、カメラデザイナーの技とうわけで、これは同時代のコンタックスSやハンガリー製のデユフレックスを視ても分かります。

ところが、アルパプリズマレフレックスの場合はそれを堂々とボデイの上にのせているので、それが欠点ではなく、この900台ほど生産された珍品カメラのデザインの魅力になっているのです。

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