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ライカに始まりライカに終わる · 連載コラム(市川泰憲)

第四十七回「ニコンZ7を使ってみました」

コーナー名
ライカに始まりライカに終わる
著者
市川泰憲(写真技術研究家、日本カメラ博物館)
対象機材・テーマ
ニコンZ7を使ってみました
概要・導入
ニコンのフルサイズミラーレス一眼は、今回使用した「Z7」が45.7メガピクセル、感度範囲ISO 64~25600、連写最高速度9コマ/秒であるのに対し、普及機としての「Z6」は24.5メガピクセル、感度範囲ISO100~51200、最高連写速度12コマ/秒です。価格的には、ボディのみでZ7が44万円、Z6が27万円。ここで普及機とZ6を位置づけましたが、同じ画面サイズならば一般的に画素数が少なければ安いわけですが、撮影コマ速度を見るとしてZ6の方が秒間あたり3コマも速いのです。既存の一眼レフで見ますと、ニコンD5(低画素20.82メガピクセル、高コマ速・12/秒)とD850(高画素45.75メ…

1. 歴史・機構・蘊蓄(エッセイ・解説)

ニコンのフルサイズミラーレス一眼は、今回使用した「Z7」が45.7メガピクセル、感度範囲ISO 64~25600、連写最高速度9コマ/秒であるのに対し、普及機としての「Z6」は24.5メガピクセル、感度範囲ISO100~51200、最高連写速度12コマ/秒です。価格的には、ボディのみでZ7が44万円、Z6が27万円。ここで普及機とZ6を位置づけましたが、同じ画面サイズならば一般的に画素数が少なければ安いわけですが、撮影コマ速度を見るとしてZ6の方が秒間あたり3コマも速いのです。既存の一眼レフで見ますと、ニコンD5(低画素20.82メガピクセル、高コマ速・12/秒)とD850(高画素45.75メガピクセル、低コマ速・7コマ/秒)の関係とは逆になるわけです。このあたりは、データ量と処理速度の関係からすると当たり前のことではありますが、まさにデジタル機ならではの性能と価格のバランスとなるわけです。

≪写真1≫Z7ボディにニッコールZ24~70mmF4S、ニッコールZ35mmF1.8S、マウントアダプターFTZ(画像をクリックすると大きく見られます)
≪写真2≫ XQDカード(120GB)とカードリーダー(画像をクリックすると大きく見られます)
■“Z7”はどう読んだらいいのだろう

ところで最初に“ニコンZ7”はどのように読んだらいいのでしょうか。日本的に考えると、国際信号旗“Z旗”の読み方にしたがって、ゼット・セブン、ゼット・ナナと読むのが一般的だと思っていましたが、東京メトロ半蔵門線車内英語放送はネイティブスピーカーなのですが、next station is ジィー・セブン(Z7=神保町)、ジィー・シックス(Z6=九段下)と読んでいたのです。そちらの方がなんとなくカッコいいので、僕は以後「ニコン・ジィー」の読み方にしようと考えたのです。そこでニコンの関係者にお伺いしたところ、日本ではどうやら「ジィー7」と読んでいたのを、フォトキナ会場のドイツでは「ゼット7」読んだというのです。つまりどちらでもOKなわけです。
レポートするにあたって、最初に用意したのは、Z7ボディにニッコールZ24~70mmF4S(136,500円)、ニッコールZ35mmF1.8S(114,000円)、マウントアダプターFTZ(36,500円)≪写真1≫、そしてメモリーカードとしてXQDカード(120GB)とカードリーダー≪写真2≫です。

≪作例1≫古希記念、飯田鉄さん1、ニッコールZ 35mmF1.8S:F1.8・125秒、ISO 100、AWB、2018.10.4(画像をクリックすると画素等倍でも見られます)
≪作例2≫古希記念、飯田鉄さん2、ニッコールZ 24~70mmF4S:焦点距離31mm、F4・125秒、ISO 500、AWB、2018.10.4(画像をクリックすると画素等倍でも見られます)
≪作例3≫トーンカーブをいじって明るくしてみました。ニッコールZ 35mm1.8S(画像をクリックすると大きく見られます)
■最初のシャッターを切る

“ニコンZ7” 最初のシャッターは、ルーニー247にて個展「RECORDARE」を開催中の飯田鉄さん。写真家さんは気持ちよく撮影させてくれるのがありがたいです。≪作例1≫は、ニッコールZ35mmF1.8S、≪作例2≫は、ニッコールZ 24~70mmF4Sです。どちらも絞り開放で撮りましたから、被写界深度の違いがよくわかります。これは背後の額入りの写真のボケ具合で顕著ですが、飯田さんのお顔を画素等倍にまで拡大すると、深度のみならず、AF ポイント、ひいてはレンズ描写の特性がわかるというわけです。この2カットを撮影して思ったのですが、撮影はいわゆるニコンならではのマルチパターン測光ですが、結果としては35mmF1.8では平均測光で露出したように、背後の明るい所に引っ張られているのです。これを、飯田さんの顔の表情が明るく見えるようにするには、Photoshopでトーンカーブをかなり上に引き上げなくてはならなかったのです。作例1と作例2は撮影時のまま、≪作例3≫ではトーンカーブをいじった結果のニッコールZ35mmF1.8S の方だけをSGVAサイズで掲載しました。なお、こういう場面のために露出補正があるのだろうという声が聞こえてきそうですが、初めてのカメラはすべて基本的には、モード選択は別にして、露出補正、カラーバランスはデフォルトのままの状態で撮影し、以後、日常使用の時にはこのときの経験を加味して、それなりの補正を加えていくようにするわけです。

≪作例4≫いつもの英国大使館正面玄関、ニッコールZ35mmF1.8S、F5.6・1/3200秒、ISO400、AWB(画像をクリックすると画素等倍でも見られます)
■いつもの英国大使館を撮影

≪作例4≫いつもの英国大使館正面玄関、ニッコールZ35mmF1.8S、F5.6・1/3200秒、ISO400、AWB。2018年10月6日、この日は朝のうちは曇りかなと思いましたが、9:30頃から青空となりましたので撮影できました。このシーンは、いつも晴天時10:00~10:30の間、35mmを中心とした焦点距離で絞りをF5.6に設定し、正面中央屋根庇のすぐ下のエンブレムにピントを合わせています。撮影結果としては、ご覧のように水平方向の直線性は良く、発色はきわめて自然であり、ヌケのよい青空で特に際立った偏色はなく、微妙な植物の緑も細かく再現されています。撮影後、設定感度がISO 400になっていたのに気づきましたが、前の撮影を引きずられていただけであり、特別な意図はありません。後日、時間に余裕ができたのでISO 100に再設定して撮り直しました。結果は大きく変わることはないはずですが、今までの撮影データとの統一化という点からすると、気持ちの問題として、やはり再撮影は避けられませんでした。
英国大使館正面玄関エンブレム部分を画素等倍100%まで拡大すると、45.7メガピクセルにニッコールZ35mmF1.8Sの絞りF5.6のときの解像特性なるのですが、撮影直後に背面液晶で画面中央下部のフラワーポッドを見ると、ハイライト部が飛んだ感じなのでびっくりしました。さらにビジネス用のノートパソコンでも同様なのです。帰宅後、自宅のデスクトップパソコンにつないだ、EIZOフレックススキャンM170モニターで見たらハイライト部は飛んでいなくしっかりと描写されているのです。改めて、画質を見るときのモニターの大切さを知らされました。

≪作例5≫英国大使館正面玄関前をISO100で再撮影、ニッコールZ35mmF1.8S、F5.6・1/800秒、ISO100、AWB(画像をクリックすると画素等倍でも見られます)
●撮影感度をISO100にして再撮影してみました

≪作例5≫英国大使館正面玄関前をISO100で再撮影、F5.6・1/800秒、ISO100、AWB。初回の撮影からずっと気になっていましたが、10月21日に、天気が回復したのでISO100に設定して再撮影しました。改めてやってよかったのは、ISO100設定のほうが階調、解像、色とも良いのです。ISO400設定の時にわずかに飛び気味と感じたのは、設定感度も絡んでいたかもしれません。確認できたのがよかったです。

≪写真3≫AF-Sニッコール24~70mmF2.8E ED VRとシグマ50mmF1.4DG Art(画像をクリックすると大きく見られます)
≪写真4≫同じ焦点距離、ほぼ同等の開放F値の「AFニッコール35mmF2D+マウントコンバーターFTZ」を組み合わせた状態と「ニッコールZ35mmF1.8S」を並べてみました(画像をクリックすると大きく見られます)
■マウントアダプターFTZでのニコンFマウントレンズのAF動作確認

マウントアダプターFTZを介してニコンFマウントレンズであるAF-Sニッコール24~70mmF2.8E ED VRとシグマ50mmF1.4DG ArtのレンズをニコンZ7に装着しての動作確認を行いましたが、この2本では特に問題はありません≪写真3≫。
ニコンZ7に取り付くように「AFニッコール35mmF2D+マウントコンバーターFTZ」を組み合わせた状態と「ニッコールZ35mmF1.8S」を並べてみました≪写真4≫。この状態で、Z35mmF1.8の方が12mmほど背は高いのです。背が高い分だけ画質に違いがあるのでしょうか。AFニッコール35mmF2Dは僕のニコンフルサイズ用の画質評価基準レンズなのです。並べるとわかりますが、Zレンズでは距離目盛と被写界深度目盛りとかは省略されているのです。
ファインダーには

の表示に加え、測距点が合焦するとグリーンに点灯するフォーカスエイドとして使えるのはうれしいです。マニュアルのピント合わせは、フォーカス点を目的に応じ2段階拡大させて目視で合わせるのです。その拡大(+)・復帰(-)は背面液晶の右下にあるのですが、ファインダーを覗きカメラを構えたまま右手親指で操作するには、グリップを握ったままではかなりむりがあり、一度左手でカメラをホールドし、親指が届くように右手のグリップを握り直して操作します。このあたり、かなり手の大きい人なら自在なのかもしれませんが、少なくとも僕の手ではグリップしたままの操作はむりで右手の握り直しが必要でした。このボタン操作、マニュアルフォーカスだけではなく、AFでも必要な操作なのです。そして拡大の解除は(-)側のボタンを押さなくてはならないのです。もし2段に最大拡大した時には、2回(-)側のボタンを押すと全画面表示に戻るのです。ここは、最大拡大からさらに押し込むと全画面表示に行くとか、シャッターボタンを半押ししたら全画面表示に戻るようになっていれば、マニュアルフォーカスでも素早い撮影ができるのにと思うのです。このあたりは、カスタム設定で変えられるのでしょうか、それともファームウエアアップで対応できるのでしょうか。気になるところです。
実は、Zシリーズ発表前にニコンF用のマウントアダプターは、ボディ内モーター駆動のAFニッコールDレンズがAF対応するのだろうかと注目していたのですが、対応はレンズ内モーターのGタイプからとなりました。ニコンより早くボディ内駆動のAF方式を採用していた他社が対応していたのにと残念です。

■ミラーレスフルサイズの魅力はサードパーティ製マウントアダプター

実はミラーレス機のもう1つの魅力は、ほかのカメラの交換レンズが使えるマウントアダプターの存在なのです。パナソニックのルミックスG1が2008年に発売された時、純正のアダプターとしてライカM用とR用のアダプターが発売されましたが、M4/3では焦点距離2倍相当、APS-CのソニーNEXでは1.5倍相当と画角が狭くなってしまったのです。それはそれでもルミックスとオリンパスは、登場が早期であったために人気が出て数を伸ばしました。
しかしマウントアダプターによるレンズ遊びが大きく流行ったのはフルサイズのソニーα7シリーズが2013年にでてきてからでした。いずれにしても自社の一眼レフの交換レンズを使えるようにする範囲ですが、他社の、それも今はなきカメラ、カメラメーカーの交換レンズを使えるようにするためには、サードパーティの存在なくしてはあり得なかったのです。そしてフルサイズミラーレス一眼であるソニーαシリーズの飛躍的な伸びには、小型・軽量であることに加え、このマウントアダプターによる各種レンズが使用可能なことが、かなりの割合で占めていたのだろうと思うのです。

≪写真5≫「SHOTEN」のライカM⇒ニコンZマウントアダプターにズミクロン35mmF2(第2世代、4群6枚構成)を取り付け(画像をクリックすると大きく見られます)
≪作例6≫コスモス畑、ズミクロン35mmF2(第2世代、4群6枚構成、1969年製)、SHOTENライカM⇒ニコンZマウントアダプター使用、MF、絞りF5.6・1/640秒、ISO100、AWB(画像をクリックすると画素等倍でも見られます)

逆にいえば、サードパーティのマウントアダプター参入がなければ、ビジネス的にも魅力のないカメラとして烙印を押されたも同然だと思うのです。ここをうまく利用したのが富士フイルムのGFX50Sで、2017年2月28日発売1週間後には中国企業がマウントアダプターを作るという早業にでたのです。これは、彼ら自身がGFXは商売として成立する、つまり売れると判断したわけです。というわけでニコンZ7は売れると判断されれば、彼らにとって格好のビジネスチャンスとなるわけです。そこでどこから最初に出てくるかと見ていたら、焦点工房の「SHOTEN」から“ライカM⇒ニコンZマウントアダプター”が10月17日に発売されたのです。ニコンZ7は日本での発売は9月28日でしたから、わずか3週間後には発売というのですからすごいです。さらに調べてみると、KIPONも直後に出荷を開始したというのです。
というわけで、さっそく「SHOTEN」のライカM⇒ニコンZマウントアダプターをさっそく入手して、ズミクロン35mmF2(第2世代、4群6枚構成)≪写真5≫を付けて、はるばる滋賀県まで試写を兼ねて行ってみました。ところがノートパソコンは持って行ったけれど、XQDカードリーダーを家に置いてきてしまったのです。今さらながら残念ですが、120GBのXQDカードとカードリーダーで3万円、リーダーだけで6,000円もするのでは、とても現地で買い増しするわけにはいきません。ということでズミクロン35mmF2のニコンZ7での描写特性報告は、帰宅するまでのお預けとなりました。
≪作例6≫コスモス畑、ズミクロン35mmF2(第2世代、4群6枚構成、1969年製)、SHOTENライカM⇒ニコンZマウントアダプター使用、MF、絞りF5.6・1/640秒、ISO100、AWB。この大きさではわかりにくいですが、ピントに合わせた所にずばり合っています。画素等倍まで拡大してもびくともしません。製造年代からするとクラシックレンズそのものですが、性能は現代でも十分であり、撮影にあたっては絞りF5.6に絞っていますが、さすがズミクロンです。また画面左上には青空を入れて光量落ちを見てみましたが、周辺光量の低下もさほど目立たなく画面周辺まで十分に使えます。第2世代ズミクロン35mmF2の特性は同じシリーズ第46回で詳しくレポートしていますので参照してください。なおSHOTENマウントアダプターのZ7ボディへの取り付けはスムーズでした。操作にあたって、Z7にはレンズなしでもロックされるのがデフォルトではないので、アダプターレンズを装着して、そのまますぐにシャッターを切ることができました。滋賀県にて(2018.10.18)

2. 操作方法・メンテナンス・修理のポイント

■ZレンズSシリーズの実力
●焦点距離35mmの絞り開放描写

用意したのはニッコールZ35mmF1.8S、Zニッコール24~70mmF4S、AFニッコール35mmF2DとマウントコンバーターFTZの組み合わせの3本です。この場面を同距離・同アングルで絞り開放で、それぞれ芝生の上に置いた枯葉にピントを合わせて撮影しました。このような場面を撮ることにより、ピントを合わせた所の解像特性、前・後アウトフォーカス部の乱れ、周辺減光の具合、焦点深度、さらにはシャッター速度を読むことにより光学的な透過特性なども知ることができます。(2018.10.10)
≪作例7≫ニッコールZ35mmF1.8S(F1.8・1/1000秒、ISO 100)。
≪作例8≫AFニッコール35mmF2D(F2・1/640秒、ISO 100)。
≪作例9≫Zニッコール24~70mmF4S(F4・1/200秒、ISO 100)。

≪作例7≫ニッコールZ35mmF1.8S、F1.8・1/1000秒、ISO 100(画像をクリックすると画素等倍でも見られます)
≪作例8≫AFニッコール35mmF2D、F2・1/640秒、ISO 100(画像をクリックすると画素等倍でも見られます)
≪作例9≫Zニッコール24~70mmF4S、焦点距離35mm、F4・1/200秒、ISO 100(画像をクリックすると画素等倍でも見られます)

いずれも、薄曇り、三脚使用、AWB、露出補正なし、jpegFINEで撮影、後処理はなし。ZSレンズはシングルポイントAFで、AFDレンズはマニュアルで合わせましたが、ニッコールZSレンズの解像度が高いことはこの比較を見れば明らかです。基本的には、将来のフルサイズ100Mピクセル解像時代を視野に入れたレンズのはずで、さらに大きく、高価なわけですから、当然といえば当然ですが、光学技術の進歩を垣間見たような気がします。
ところでマニュアルピント合わせ時の画面の拡大法ですが、特に拡大後シャッターを切る前に全画面を確認してからシャッターを切りたいのですが、全画面表示に戻すにはもと来た手順を逆に戻らなくてはならなく、けっこう手間なのです。そこでワンタッチで全画面に戻すことはできないかと新宿のサービスに出向いて聞くと、あるのですね。最初に尋ねてみると、はい確かここにといい、ヘルプの人を呼びましたが、あれこれ触っているうちに、ご自身で見つけ出し教えてくれました。それによると、Z7の初期設定のままではできなくて、カスタムファンクションのf3に“OKボタンの機能”という項目があり、「静止画モードの撮影時または再生時にOKボタンを押したときの機能を設定できます」と書かれていますが、何がどのように設定できるか書かれていないのです。これだけは取説読んでも、わかりませんし、わずか1cm幅ぐらいの小さな解説なのです。自宅に戻り、設定しようとしたらどこだったかな?としばらく考えてしまいました。カメラ側のカスタムメニューf操作というのがあり、そこのf3が「OKボタンの機能」となっていて、さらに撮影モード(+)、再生モード(+)となっていて、撮影モード(+)を開くと、RESETフォーカスポイント中央リセット、拡大画面との切り替え、設定しない、の3項目があり、低倍率(50%)、等倍(100%)、高倍率(200%)とあり、そのうち任意の設定を行うのです。僕は等倍(100%)に設定しましたが、この設定で撮影時にファインダーをのぞいたままOKボタンを押すと一気に等倍までいき、必要に応じ(+)(-)ボタンで細かく操作できるのです。そして全画面の表示に戻すのには、もう1度OKボタンを押せば戻るというのです。もちろん(-)ボタンを拡大数に応じ押し込むことでも良いのですが、“OKボタンを再度押すと一気に全画面表示に戻る”とは、説明書のどこにも書いてないのです。でも社内教育で教えているなら、取説に書くべきだと思うのです。

■ランダムな実写による結果

基本的にカメラですので、写ってどれだけの世界になるわけです。ここまでは、まったくの基本に関しての描写を紹介しましたが、これから先は僕の写真指向のなかでさまざまな被写体に“Z7”を向けてみます。ということで少し旅にでて、撮影しました。

●Zニッコール24~70mmF4S
≪作例10≫秩父にて:Z24~70㎜F4S、焦点距離24㎜、F4・1/25秒、ISO900、AWB(画像をクリックすると画素等倍でも見られます)

≪作例10≫秩父にて:Z24~70㎜F4S(焦点距離24㎜、F4・1/25秒、ISO900、AWB)。神社の社の天井を広角24mmで撮影してみました。全体にマゼンタ味を帯びた描写ですが、露出のバランスはちょうどいいという感じです。(2018.10.10)

≪作例11≫鳥居とクモの糸:Zニッコール24~70mmF4S、焦点距離45mm、F5・1/100秒、ISO 100(画像をクリックすると画素等倍でも見られます)

≪作例11≫鳥居とクモの糸:Zニッコール24~70mmF4S(焦点距離45mm、F5・1/100秒、ISO 100)。うっそうとした神社の鳥居にクモの糸が1枚の葉をぶら下げていたので枯葉にピントを合わせ、シャッターを切りました。わずかにアングルを変え2枚シャッターを切ると枯葉は、はらはらと舞いながら落ちていきました。手持ち撮影でしたが、画素等倍に拡大にして見ると、葉脈までどうにか解像しています。(2018.10.10)

≪作例12≫ツタの絡まる石碑:Zニッコール24~70mmF4S、焦点距離70mm、F4・1/160秒、ISO 100(画像をクリックすると画素等倍でも見られます)

≪作例12≫ツタの絡まる石碑:Zニッコール24~70mmF4S(焦点距離70mm、F4・1/160秒、ISO 100)。少し明るいところでツタの絡まる石碑を撮影。石肌がきれいに緻密に描写されているのが確認できます。(2018.10.10)

≪作例13≫落ち葉、石山寺にて:Zニッコール24~70mmF4S、焦点距離70mm、F4・1/200秒、ISO 100(画像をクリックすると画素等倍でも見られます)

≪作例13≫落ち葉、石山寺にて:Zニッコール24~70mmF4S(焦点距離70mm、F4・1/200秒、ISO 100)。解像度が高いレンズだけにこういう被写体が向いています。(2018.10.17)

≪作例14≫石山寺山門:Zニッコール24~70mmF4S、焦点距離70mm、F4.5・1/320秒、ISO 100(画像をクリックすると画素等倍でも見られます)

≪作例14≫石山寺山門:Zニッコール24~70mmF4S(焦点距離70mm、F4.5・1/320秒、ISO 100)。紅葉には早かったですが、逆光の感じがいいです。(2018.10.17)

≪作例15≫かわごえ祭・1:Zニッコール24~70mmF4S、焦点距離24mm、F7.1・1/200秒、ISO 100(画像をクリックすると画素等倍でも見られます)

≪作例15≫かわごえ祭・1:Zニッコール24~70mmF4S(焦点距離24mm、F7.1・1/200秒、ISO 100)。屋台と屋台がぶつかり、お互いにエールの交換です。最広角の24mmならではの撮影です。
(2018.10.21)

≪作例16≫夜の新宿裏通り・1:Zニッコール35mmF1.8S、F1.8・1/40秒、ISO 160(画像をクリックすると画素等倍でも見られます)
●Zニッコール35mmF1.8S

≪作例16≫夜の新宿裏通り・1:Zニッコール35mmF1.8S(F1.8・1/40秒、ISO 160)。左上のドクロのお面にピントを合わせましたが、全体的に柔らかな描写となりました。(2018.10.18)

≪作例17≫夜の新宿裏通り・2:Zニッコール35mmF1.8S:F1.8・1/40秒、ISO 250(画像をクリックすると画素等倍でも見られます)

≪作例17≫夜の新宿裏通り・2:Zニッコール35mmF1.8S(F1.8・1/40秒、ISO 250)。ガラス越しの店内もかなりシャープに写すことができました。(2018.10.18)

≪作例18≫集合写真:Z35㎜F1.8S、絞りF11・1/40秒、ISO1100、サイレントモードで撮影(画像をクリックすると画素等倍でも見られます)

≪作例18≫集合写真:Z35㎜F1.8S、絞りF11・1/40秒、ISO1100、サイレントモードで撮影。この日は、カメラ好きが集まる「写真懇話会」の日。最大限集まった時に記念写真を撮るのが習わしで、そこに35㎜F1.8付のZ7を持ち込んだところまでは良かったのですが、あらかじめお決まりの集合写真をセルフタイマー撮影しようと設定をシミュレーションしたはずが、いざ撮影となると最終的なセットができないのです。時間がないので1人抜けてシャッターを押しましたが、お恥ずかしい限りでした。サイレントモードで撮影しましたので、皆さんシャッターが切れていないよと指摘されました。こういう撮影にはサイレントモード撮影は向きませんね。(2018.10.20)

■マニュアルフォーカスレンズでの手ブレ補正セット
≪作例19≫かわごえ祭・2:ヘクトール135mmF4.5(3群4枚構成、1955年製)、SHOTENライカM⇒ニコンZマウントアダプター使用、MF、絞りF5.6・1/400秒、ISO100、AWB(画像をクリックすると画素等倍でも見られます)

かわごえ祭にライカMマウントのヘクトール135㎜F4.5とともにSHOTENマウントアダプターを持ち込みましたが、撮影の途中で妙なことに気づきました。ヘクトール135mmを付けてファインダーで正確なピント合わせをしようと、撮影部分を拡大したのですが、ブルブルと画面が震えてなかなかピントが定まらないのです。
≪作例19≫かわごえ祭・2、ヘクトール135mmF4.5(3群4枚構成、1955年製)、SHOTENライカM⇒ニコンZマウントアダプター使用、MF、絞りF5.6・1/400秒、ISO100、AWB≫ 色が青っぽく見えるのは背景が日陰であるために全体のカラーバランスが崩れたためで、順光の場合の発色は問題ありませんでした。(2018.10.21)
とりあえずその場の撮影は済ませましたが、自宅に帰ってマウントアダプターと複数のレンズを用意して試してみました。その結果わかったことは、純正のマウントアダプターであろうとサードパーティ製であっても、レンズ側に電気信号ピンがないと“ボディ内の手ブレ補正機構”が働かないのです。純正の“マウントコンバーターFTZ”に“AFニッコール80~300㎜F4-5.6D”を付けると手ブレ補正が働くのですが、非AFのニッコール135mmF3.5を装着するとライツ・ヘクトール135㎜F4.5と同じように手ブレ補正が働かないのです。ボディ側の手ブレ補正の設定の項を見ると、OFF・Nomal・SPとあるのですが、AF対応でないレンズを付けると、純正のニッコールレンズでも手ブレ補正は働かなくなるのです。少し前に使った広角のズミクロン35㎜F2では気づかなかったのですが、ヘクトールの135㎜という焦点距離の長いときには拡大率を上げてファインダーを見るとブルブルと手ブレしているのがもろにわかるのです。
このヘクトール135mmはNZ用マウントアダプターを付けてレンズ先端からZマウント基準面まで約140mm、ニッコール135mmは約105mmです。使ってみるとレンズが長いほうが手ブレは大きく感じるのです。もし可能ならばAFレンズでなくても、手ブレ補正が効くようになっていればいいのにと思い、いろいろ調べていきましたら、工具マークの「レンズ情報手動設定」の焦点距離とF値を設定すれば手ブレ補正機構が働くことがわかりました。ここには20種類のレンズを設定できますが、今回は汎用性があるようにと50㎜F2に仮設定しましたが、これでまずはAFレンズ以外でも手ブレ補正はOKとなりました。

■マウントアダプターを使った時の広角レンズのメカニカルバック
≪写真6≫左から、ズミクロン35mmF2、キヤノン25mmF3.5、沈胴式ズミクロン50mmF2、スーパーアンギュロン21mmF4(画像をクリックすると大きく見られます)
≪写真7≫左:沈胴式ズミクロン50mmF2、右:スーパーアンギュロン21mmF4(画像をクリックすると大きく見られます)

フルサイズミラーレス一眼の楽しみは、マウントアダプター遊びであるというのが私の常日頃からの持論です。そこで、フランジバック16mmというニコンZ7で、マウント基準面からどれだけ出ていても物理的に問題ないのはどんなレンズか調べてみました。まず≪写真6≫を見てください。すべて距離計連動のライカ用交換レンズの後部の写真ですが、スクリューにはMマウントアダプターを付けて、それぞれフィルターを付けて統一してあります。
≪写真6≫は、左からズミクロン35mmF2(〇)、キヤノン25mmF3.5(〇)、沈胴式ズミクロン50mmF2(〇)、スーパーアンギュロン21mmF4(×)。この4本の交換レンズのうち、Mバヨネットの内爪より尻がでていないのはズミクロン35mmF2だけで、残り3本はいずれも尻がでているのです。このうちズミクロン50mmF2は沈胴式ですが、カメラに物理的なダメージを与えないのを確認するという意味であえて沈胴状態にしてあります。これにライカM→NZマウントアダプターを付けて、Z7で撮影可能となりますが、その状態で物理的な損傷を与えないのはどのレンズかということです。その結果は()内に〇×で示しました。
≪写真7≫は、ライカM→NZマウントアダプターを付けた状態でレンズの尻を見てみました。左は、沈胴式ズミクロン50mmF2ですが十分セーフ。右は、スーパーアンギュロン21mmF4ですが、危険でやめた方がいいとなります。この判断基準は、NZマウント爪より出ているか、それ以内に収まっているか、としました。スーパーアンギュロン21mmF4のはみだし部分は約5mmですが、フランジバックは残り10mmぐらいあるから良いのではと考えるのはまったく危険です。このZ7の場合、撮像素子の前にはレンズを外した状態では見えませんが、機械的なシャッターが隠れていて、さらに撮像面の上にはIR/UVカットフィルターなどがあるはずで、それを加えた厚みというか距離があるので、シャッター幕面より前なら物理的にOKとなるのですが、その数値が不明なためZマウント内爪背後よりでていないあたりが安全圏となると判断しました。もしどうしてもというのなら、サイレントシャッターモードにすれば少し出ていてもシャッター幕が隠れていてセーフかもしれないですが、まったく保証の限りではありません。知人のHさんは、ソニーα7R2で見た目はOKと思い、あるレンズを付けてシャッターを切ったら、ガリッと音がしてシャッター羽根とレンズ後部が接触し、購入したばかりのボディで有料シャッター交換となったのです。勇気があるとかないでなく、危ないことは避けるべきです。

■ライカマウント広角レンズの周辺光量の再現性

レンズ交換式の距離計連動デジタルカメラの初期には、APS-Cの画面サイズであってもライカマウントの広角レンズでは周辺光量がフィルム時代とは異なり、極端に落ちたり、マゼンタの色付きがあったりしてカラーではとても使えませんでした。その後フルサイズになっても大きく変わる部分はありませんでした。さらにフルサイズミラーレス一眼の登場がありましたが、その傾向は変わりありませんでした。しかしミラーレスフルサイズ機でも世代を経ることにより、撮像素子が裏面照射タイプなどの新技術の採用などにより、徐々にそのようなことが解消されてきたのです。そしてニコンZ7の登場です。ここでは過去に私としては問題があって、フルサイズミラーレス機には使えなかったレンズ2本をあえてピックアップし、その効果のほどを見てみました。
なお、この周辺光量低下はあくまでも、ニコンZ7の結果でありまして、画素数が少なくなり画素ピッチが大きくなるZ6が発売されるとさらに別の結果が期待されるのです。

≪写真8≫キヤノン25mmF3.5とスーパーワイドヘリアー15mmF4.5ASPH. (画像をクリックすると大きく見られます)
≪作例20≫キヤノン25mmF3.5:F8・1/320秒、ISO100、AWB(画像をクリックすると画素等倍でも見られます)
●キヤノン25mmF3.5とスーパーワイドヘリアー15mmF4.5を使うと≪写真8≫

≪作例20≫キヤノン25mmF3.5:F8・1/320秒、ISO100、AWB。1956年に発売されたライカスクリューマウントの当時としては広角大口径交換レンズでした。1970年代には多くの写真家がこのレンズを使って作品を残した名玉です。Z7での撮影結果は、周辺光量はフィルムカメラ時代よりも多少落ちますが、初期のフルサイズ機では周辺の色付きなどでモノクロでしか使えなかったのが、カラーでも使えるようになったのです。しかもZ7で撮影すると、このレンズ本来の解像度の高さなどの性質が表れ、かつてのフィルムカメラ時代の描写を超えた高解像のいい感じとなりました。

≪作例21≫スーパーワイドヘリアー15mmF4.5ASPH.:F8・1/320秒、ISO100、AWB(画像をクリックすると画素等倍でも見られます)

≪作例21≫コシナ・フォクトレンダースーパーワイドヘリアー15mmF4.5ASPH.:F8・1/320秒、ISO100、AWB。1999年に発売されたコシナの超広角レンズですが、最新モデルはデジタル時代に合わせて光学系は一新されていますが、ここに用意したのは初代のライカスクリューマウントモデルです。当時は、ホロゴン15mmF8が100万円近くもしていたのに対し、10万円未満で、明るく、周辺光量補正フィルターも不要であることなどから、一大ヒット商品となりました。その初代スーパーワイドヘリアー15mmF4.5ですが、ライカ判フルサイズデジタルのライカM9がでたときには、周辺の光量が落ち、しかもマゼンタ味に色付きするということで、モノクロにしか使えないと判断されたのですが、マウントアダプターを使った最新のニコンZ7はどうでしょう。
撮影してみると、周辺でマゼンタ色の色付きもなく、適度な周辺光量の落ち込みはありますがなかなかいい感じです。ただし “なかなかいい感じ”というのはあくまでも個人的な考えであり、コシナの名誉のためにあえて言うならば、このレンズでフィルムを通した限りではこのような周辺減光はほとんどありませんでした。デジタルで使うとなるとダメという人もいるでしょうが、そこは使う人の感覚でしかないからです。
なお、ライカMマウント交換レンズで私が確認できている範囲では、近年のライカM8(2006年)登場頃に発売開始されたズミクロンM-28mmF2、トリエルマー16-18-21mmF4 ASPH.などでは周辺減光も色付きもなく、普通の描写です。

●夕日が?? ミラーレス一眼のマルチパターン測光とカメラ内の色再現

ニコンの一眼レフで一番いいのは、マルチパターン測光だと昔から思っていました。撮影画面を5分割して測光するマルチパターン測光を最初に搭載したのは1983年発売のニコンFAだったのです。この測光方式の出現により、ラチチュードの狭いカラーリバーサルフィルムでも、細かい露出補正があまり必要なく、雪が白く写るなど、当時は感激ものだったのです。その後各社とも多分割測光を採用しましたが、ニコンだけは一味違う測光を行うと思っていました。そして時代はデジタルに変わりましたが、一眼レフのD850までフィルムカメラ時代と大きな違和感なく使ってこれました。今回、Z7を使っていて、少し今までと違うなと思ったのは測光結果です。 特にEVFと背面モニターで見ると逆光の補正がつらい感じがしたのです。そこで、さまざまな場面を撮影しているうちに、夕日を撮ろうとしたのですが、撮影直後のEVFと背面モニターを見ると、全体にシャドー重視で白っぽく見えるのです。夕日が写らない、これは大変だと、マイナスの露出補正をかけてみましたが、-1.3EVかけても従来機の結果とは異なる感じがしたのです。これは、一眼レフの場合にはペンタプリズム脇の受光素子で測るのに対し、ミラーレス一眼では撮像面で測るために、同じマルチパターン測光でも撮影シーンによっては違うのだなと考え、夕日を撮影するのはあきらめたのです。
そして、自宅のパソコンに撮影データをコピーし、わが家のモニターで再現すると確かに今までのマルチパターン測光よりシャドー描写重視的に白く写る感じがしますが、夕日に赤く染まった空はどうにか見えるのです。ところがEVFと背面モニターで見るとどちらも夕日に赤く染まった部分が薄く白っぽく見えるのです。これは液晶が今までと違うのかと考えましたが、EVFはOLED、背面液晶はTFTであり、そこに起因することではなさそうで、むしろ基本的なディスプレー画像出力の色傾向のようです。結局、露出レベルはこのような夕日の時には、今までのマルチパターン測光よりオーバーに記録されますが、それ以上にカメラ側の表示傾向によりシャドー重視で白っぽく見えるのです。このあたりはかなり微妙ですが、実際に撮影していて今までのニコンとは異なりすごく違和感をもったところです。それぞれの結果をお見せします。またかなり乱暴ですが、わが家のモニターとカメラ背面モニターの見え方の差を示しました。

≪写真9≫左:モニターでの再現、右:Z7背面液晶の再現(画像をクリックすると大きく見られます)

≪写真9≫左)モニターでの再現、右)Z7背面液晶の再現。厳密にいえばかなり無茶かもしれないですが、これくらいの差があるのは事実です。

≪作例22≫琵琶湖の夕日・1、Zニッコール24~70mmF4S:焦点距離70mm、F6.3・1/640秒、ISO 100、AWB、マルチパターン測光(画像をクリックすると画素等倍でも見られます)

≪作例22≫琵琶湖の夕日・1、Zニッコール24~70mmF4S(焦点距離70mm、F6.3・1/640秒、ISO 100、AWB、マルチパターン測光)。カメラ側のEVFと背面モニターで見るとこのデータで黄金色の発色が消えているのです。(2018.10.17)

≪作例23≫琵琶湖の夕日・2、Zニッコール24~70mmF4S:焦点距離70mm、F7.1・1/800秒、-1.3EV露出補正、ISO 100、AWB、マルチパターン測光(画像をクリックすると画素等倍でも見られます)

≪作例23≫琵琶湖の夕日・2、Zニッコール24~70mmF4S(焦点距離70mm、F7.1・1/800秒、-1.3EV露出補正、ISO 100、AWB、マルチパターン測光)。自分でイメージする夕焼けにするためにマイナス露出補正をかけましたが、あまり効果がないことを背面LCDで確認できたので-1.3EV補正で撮影をあきらめたのです。ただ、これはカメラのEVFと背面液晶で見た範囲のことでして、自宅のモニターで見ると、まずまずの結果になっていたのですが、一眼レフマルチパターン測光での夕日撮影には露出補正は不要でした。(2018.10.17)

≪作例24≫サイレントモードでの動体撮影(画像をクリックすると大きく見られます)
●ミラーレス一眼のサイレントシャッター

≪作例24≫サイレントモードでの動体撮影:Z35㎜F1.8S、絞りF13・1/1000秒、ISO3200。サイレントモードで撮影すると、電子シャッターを使用して、シャッター動作音と振動のない撮影ができるのですが、動体では歪みがあるように撮影されることもあります。したがって、大きな動きのある被写体には向きませんが、音楽会や踊りなどで大きく動かない決めポーズなどでは、静かなので大変有効です。この歪み具合は、撮像素子の特性、被写体の走行方向、走行速度、撮影距離など相対的な部分で決まることが多いのです。なお他社ではどうかというと、α7RIIと同程度という印象です。このようなことをローリングシャッター現象とも呼びますが、ミラーレス機全般の今後の課題といえます。

■ミラーレス一眼は本当に小型なの?
≪写真10≫ニコンD3sに同等の35mmレンズを付けた状態で外観を比較(画像をクリックすると大きく見られます)

人間の感覚なんて、きわめてあいまいなものです。連日「ニコンZ7」を持って歩いていると大きく重く感じてくるのです。そして頭の中では、レンズが大きくなったからな、などといつも考えるようになってきたのです。マウント口径が広がり光学性能の向上したレンズは、大きくても、確かにその実力を確認できましたが、まだ手にしたこともない超望遠レンズを付けた場合はどうだろうかなどと考え、撮像面からレンズ先端までを測ると一眼レフもミラーレス一眼も同じではないかなどと夢想してしまうのです。いやそんなことはないと、久しぶりに往年のフラッグシップ機ニコンD3sのほこりを払い、同等の35mmレンズを付けた状態で外観を比較撮影してみました≪写真10≫。確かにミラーレス一眼は小さいのです。とてもレンズがでかいなどとは言えないのです。これには深く反省です。
ちなみにそれぞれの重さは写真の状態で、Z7が約1,040g、D3sが約1,610gでした。計量にあたっては、わが家の料理用ハカリは最大1,000gまでなので、どちらの機種もハカリで計量が可能な限りばらして行いました。それでも、D3sはレンズとバッテリーを外しても約1,200gありました。実際使用時は両機種とも、レンズにプロテクトフィルター、レンズフード、ストラップを装着するので、確実に100gぐらいは増えそうです。
結局、カメラスペックとして画素数や細かいことを除き、小さく軽くても、確実に性能アップしているので、やはり「写真」は技術の進歩をもろに受ける表現技法だと思うのです。まぁ、比較の仕方はさまざまですが、往年のフルサイズ一眼レフフラッグシップ機と最新のフルサイズミラーレス一眼フラッグシップ機の比較でした。ミラーレス一眼は本当に小型・軽量であることを実感した次第です。

■これでおしまい

あれこれ書き連ねたらきりがありません。いろいろ使ってわかりましたが、操作系はやはりユーザーが自分からカメラに歩み寄っていかなくてはならないのだと、つくづく感じました。ただいままでなかった機能としては、タッチセンサーに象徴されるように表示パネルが単なる表示でなく、レリーズ機能やセットアップ機能などを持つようになったことです。このあたりは、普及タイプの一眼レフあたりでかなり実績あると思うのですが、単なるグラフィック表示だけでは済まなくなったのも確かなことですので、これからも直感的にわかるようなGUIの設計はますます大切だと思います。
今回の私の使用記でのランダムな作例は、ざっと見ていただいた範囲ですが、ほとんどが風景写真だったり、静物写真の拡大版みたいなもので、動体撮影はしていません。もしスポーツカメラマンが高速連写で使ったらどうなのだろうか、スナップの専門家が使ったらどうなのだろうかと思うわけです。
ただこれだけシャッターを切っても、私にはXQDカードである必要性は感じませんでした。XQD専用だと≪写真2≫に示しましたが、これだけのアクセサリーがないと使えないのです。ちなみにこれだけで安売り店でも約25,000円もするのです。さらに必要に応じ、これだけのアクセサリーをパソコンに加えて、持ち歩かなくてはならないのです。やはりカメラを企画する人は、わずかな数値性能アップ一辺倒でなく、多くの写真を撮る人の実作業がわからなくてはいけないと思うし、そのあたりがカメラの各部機構、操作性、さらには交換レンズなどシステムの構築にも大きく関連してくるのだと思うのです。
ミラーレス一眼が今後の主流になるだろうと思いますが、記録メディアは1スロット対応でも、SDカード仕様かXQDカード仕様かを選択させるような選択肢はなかったのでしょうか。フルサイズミラーレス一眼を、誰に向けて作って、誰に売っていくのかが、いまひとつ見えないというのが正直な印象でした。 (^_-)-☆

(追記) ニコンは去る1月に開かれたアメリカラスベガスで開催されたコンシューマ・エレクトロニクス・ショーにてニコンZ7、Z6をファームウエアアップで「瞳AF」に対応できるようにすると発表しました。