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ライカに始まりライカに終わる · 連載コラム(市川泰憲)

第三十五回「ソニーα7R Mark IIを使ってみました」

コーナー名
ライカに始まりライカに終わる
著者
市川泰憲(写真技術研究家、日本カメラ博物館)
対象機材・テーマ
ソニーα7R Mark IIを使ってみました
概要・導入
ソニーα7シリーズは、ミラーレス一眼であるためにフルサイズでありながらボディは小型で薄型に仕上げられています。この薄型ボディを活用して、中間にマウントアダプターを取り付けることにより、ライカマウントやその他の一眼レフ用の交換レンズを装着することが可能なのです。今回の高画素タイプα7R Mark IIの使用では、2本の純正マウントレンズに加え、ライカスクリューマウントとM42マウントのレンズをマウントアダプターを介して使った結果を報告します。

1. 歴史・機構・蘊蓄(エッセイ・解説)

ソニーα7シリーズは、ミラーレス一眼であるためにフルサイズでありながらボディは小型で薄型に仕上げられています。この薄型ボディを活用して、中間にマウントアダプターを取り付けることにより、ライカマウントやその他の一眼レフ用の交換レンズを装着することが可能なのです。今回の高画素タイプα7R Mark IIの使用では、2本の純正マウントレンズに加え、ライカスクリューマウントとM42マウントのレンズをマウントアダプターを介して使った結果を報告します。

【写真1】ゾナーT*FE35mmF2.8を装着したソニーα7R Mark II。(画像をクリックすると大きくして見ることができます)
■高画素で高感度であることのわけ

α7R Mark II【写真1】のイメージャーは、有効4,240万画素と高画素であり、裏面照射タイプのCMOSであるために、高感度が得られやすいという特徴があります。裏面照射タイプの原理は、ソニーのHPから拝借したイラスト【写真2】を掲載しましたが、従来タイプ撮像素子の受光部は井戸の中をのぞくようなものだといわれてきました。それが一般的な撮像素子ですが、図の左側にあたります。一方裏面照射タイプは右側の図ですが、受光の効率が良いことはこれでおわかりいただけるでしょう。

【写真2】左:一般的な撮像素子、右:裏面照射タイプ。配線層が裏面に行くために、フォトダイオードまでの距離が短くなり、受光部の開口が大きくとれ、高感度に強くなります。(画像をクリックすると大きくして見ることができます)

この裏面照射タイプの撮像素子を最初に搭載したのは2009年発売の「ソニーサイバーショットDSC-WX1」で、2.4型1,020万画素、従来の表面照射タイプの約2倍の感度が得られるというものでした。この裏面照射タイプはもともと小型の撮像素子に向く技術とされていましたが、ソニーでは2013年6月に大型化した裏面照射タイプCMOSの1型2,020万画素を「サイバーショットDSC-RX100 II」に採用しました。また2014年11月には韓国のサムスンがAPS-C判で2,820万画素裏面照射タイプCMOSを搭載した「サムスンNX-1」を発表したばかりですが、2015年8月にソニーがフルサイズで裏面照射タイプCMOSイメージャー搭載の「α7R Mark II」を発売したのです。ソニーとしては1型からAPS-C判を飛ばして、一気にフルサイズまでにスペックアップしたのですが、ここ数年でCMOS撮像素子開発のテンポはずいぶん早まったようです。もちろん世界中で裏面照射タイプCMOSを製造できるのは、ソニーとサムスンだけではないわけで、過去には半導体メーカーとしてOmniVision社、Aptina社が実用化しています。

【作例1:英国大使館正面玄関】晴天をねらって、いつもの英国大使館正面玄関をいつもの時間にねらいました。絞り優先AE(5.6・1/640秒)、ISO100、AWB、Jpeg.ExtraFine(5424×3616)、AF、三脚使用、Sonnar T*FE35mmF2.8。(画像をクリックすると画素等倍で見ることができます)

【写真3】横幅を1,070mm 、B1相当にプリントして、α7Rとα7R Mark IIの2種類合計4枚をプリントして検討しました。上はさらに横幅1900mm相当に部分的に伸ばしたものです。写真はα7R Mark IIのものですが、これとまったく同じ寸法にプリントしたα7Rの分もありますので、それぞれ目を凝らして見ると、3,640万画素と4,240万画素の違いはありますが、なかなかその差を見つけだすのは難しいです。(画像をクリックすると大きくして見ることができます)

【作例2:α7R、感度1600】プログラムAE(F2.8・1/3秒)。モニター上で50%に拡大して見ると、α7R Mark IIよりきわめてわずかにノイズというか粒状感があります。(画像をクリックすると画素等倍で見ることができます)
【作例3:α7R Mark II、感度1600】プログラムAE(F2.8・1/4秒)。モニター上で50%に拡大して見ると、α7Rより明らかになめらかで粒状感を感じさせません。(画像をクリックすると画素等倍で見ることができます)

撮影した花は、鮮やかな赤い花びらにと濃い緑の葉に見えますが、実際は花びらは薄いピンク色、葉も薄グリーンの色でして、背面液晶とEVFを通して見たときから色鮮やかな赤と緑になっていました。【作例2・3】には、α7R とα7R Mark IIで撮影感度として高めにセットした場合を想定し、感度1600設定の場合のカットを載せました。また【作例4・5】には、α7R の最高感度設定の25600とα7R Mark IIの感度25600を載せました。さらに【作例6】には、α7R Mark IIの拡張範囲の最高感度である感度102400に設定した写真を載せました。

【作例4:α7R、感度25600】プログラムAE(F2.8・1/50秒)。感度25600はα7Rで設定できる最高感度です。モニター上で33.3%に拡大して見ると、R.G.B.に分色されたようなノイズというか粒状感があり、横にスキャンしたようなグリーンの色被りを見ることができます。もちろん、もう少し輝度の高い場面で撮影したり、拡大率を小さくして見れば十分実用になる画像であることはいうまでもありません。(画像をクリックすると画素等倍で見ることができます)

【作例5:α7R Mark II、ISO25600】プログラムAE(F2.8・1/60秒)。感度25600はα7R Mark IIでは最高感度102400までには、あと2段余裕がある設定です。モニター上で33.3%に拡大して見ると、α7R のときのようなR.G.B.に分色されたようなノイズはなく、単純に粒状感があるだけで、横にスキャンしたようなグリーンの色カブリもありません。もちろん画質を許容できるかどうかは、拡大率と個人の判断によるわけです。(画像をクリックすると画素等倍で見ることができます)

【作例6:α7R Mark II、感度102400】プログラムAE(F4.5・1/80秒)。感度102400はα7R Mark IIの最高設定可能感度です。モニター上で33.3%に拡大して見ると、彩度が落ち、全体に粒状感があり墨っぽさのある画像です。さらに画素等倍まで拡大して見ると、単純に粒状感があるだけで、R.G.B.に分色されたようなノイズも横にスキャンしたような線もありません。(画像をクリックすると画素等倍で見ることができます)

これら一連の写真からわかることは、裏面照射タイプのα7R Mark IIのほうが圧倒的に高感度域に強いことです。α7Rの画素数が7360×4912なので画素ピッチが4.8μm、α7R Mark IIの画素数が7952×5304なので画素ピッチが4.5μmであるので、画像処理エンジンの性能が上がったとしても画素ピッチは細かいのですが、明快にα7R Mark IIの裏面照射タイプのほうが低輝度に強いことがわかります。ここで、ひとつおもしろいことに気づきました。α7R の最高感度設定の25600とα7R Mark IIの最高感度である102400の画像は、視覚的にノイズの発生、荒れ具合は見た目でなんとなく近似しているのです。これは、おそらく目視によって、ノイズ発生のあるレベルで最高感度設定を決めているのではないかと思ったのです。フィルムの時代にはセンシトメトリーというJIS(ISO)にも決められた感度測定法がありましたが、デジタルカメラの感度決定はどのように定められているのでしょうか。フィルムではISO400といえば、決められた範囲があったわけですが、ISO規格を超えた高感度範囲ではE.I.(Exposure Index)という実用的指標が示されていました。デジタルカメラの感度範囲も近似した考え方によっているのではないかと思うのです。
フィルムの時代もそうでしたが、感度に関する考え方は難しいのです。先ほどのE.I.もそうでしたが、実用的にどうかということになるのです。さらにネガとポジではラチチュードが違うのです。それと最も異なるのは、撮影場所の明るさにも大きく依存するのです。つまり、晴天下のもとで撮影したISO1600と同じ感度設定で極端に暗い場所を撮影した場合では、発色具合、ノイズ発生感がまったく違うのです。その点においては、【作例4と6】は被写体条件としては、かなりきびしいのではないかと思うのです。さらに異なるのは、見る人の画質に対する評価基準です。当然、感度描写として十分許容できるという人もいれば、その逆の人もいるわけです。
そして、α7R とα7R Mark IIのデータを比較して見ると、α7Rのほうがなんとなく画像に立体感があるのです。これは、撮影時の条件にもよるのでしょうが、ニコンのDfとD800Eとの関係でも同じような印象を持ったことがありますので、高画素(画素が小さくなる)ほどダイナミックレンジの関係からフラットになるようです。

2. 操作方法・メンテナンス・修理のポイント

【写真4】α7R Mark IIにマウントアダプターを介してフォクトレンダースーパーワイドヘリアー15mmF4.5を装着。(画像をクリックすると大きくして見ることができます)

【作例7:フォクトレンダースーパーワイドヘリアー15mmF4.5】 絞り優先AE(F5.6・1/800秒)、ISO100、AWB、Jpeg.ExtraFine(5424×3616)、MF、三脚撮影。これはすごいです。α7Rで使用のときは、周辺光量の落ち込みが大きく、あずき色に画面周辺が色カブリしていましたが、α7R Mark IIまったくないのです。画素等倍に拡大すると、わずかに画面周辺の樹木で倍率の色収差らしきものが発生していますが、実用上は無視できる範囲です。(画像をクリックすると画素等倍で見ることができます)

■ライカもびっくりライカマウント広角レンズの適応性向上

実は、α7R Mark IIで最もビックリして評価できるのはこの部分です。ソニーα7の魅力のひとつにマウントアダプターを使えば、各社の交換レンズが使えることはおわかりだろう思うのですが、このなかでもフィルム時代のライカマウント広角レンズは、35mmより焦点距離が短いと、フルサイズで使うと周辺光量の極端な落ち込み、マゼンタ色のカブリなどがなどの現象が避けがたいものとして存在していましたが、少なくともソニーα7R、ライカMで発生していた上記問題点が、α7R Mark IIを使うと、一部レンズではまったくといってよいほどに発生しないのです。
たとえば、コシナのフォクトレンダースーパーワイドヘリアー15mmF4.5の旧タイプレンズ【写真4】はまさにその通りであって、コシナはそのために新型のフォクトレンダースーパーワイドヘリアー15mmF4.5 III(第二十九回「フォクトレンダー・スーパーワイドへリアー15mmF4.5 III」)をだしたわけですが、新型α7R Mark IIの前にあっては新型レンズも解像力を除けば、従来品で十分となってしまうわけです【作例7】。これには、ライカマウントレンズユーザーだけでなくコシナもびっくりだろうと思うのです。でも本当にビックリしてほしいのは、ライカカメラ社の技術陣です。過去に、M8、M9、M(Typ240)と発売してきたわけですが、このレンズ以外の純正レンズでも上記のような問題があったのです。ところが、フルサイズのライカ判で高画素のα7R Mark IIが解決してしまったのですから、ここはぜひ見習って欲しいと考えるのは私だけでしょうか?
それにしても、これは大変なことです。もともとライカはC型以後の交換レンズがすべて使え、世界のライカマウントレンズも使えるところが最大の特徴だと僕は思っていたのですが、デジタルライカになって古い広角レンズに使用に制約がでてきたことは残念なことです。この件はライカカメラ社の技術陣にライカM(Typ240)がでてきたときに質問したら、新しいレンズを使ってくださいというのが答えでしたが、新しいカメラ技術がでてきたときにそれまでの技術的な常識がくつがえるというのもまさにデジタル時代であり、このような時代にあって“ライカはいつまでライカでいられるのか”と思うわけです。これってすっごく重要なことだと思うのです。
裏面照射タイプの開口が大きいのはわかりますが、同じα7シリーズでも画素数が1,200万画素と少ないα7Sも開口数が大きいので、ひょっとしたらと考え、改めて全ソニーα7シリーズに旧タイプのフォクトレンダー・スーパーワイドへリアー15mmF4.5はどのような描写をするのか、ソニーのショールームに行って確認しました。その結果わかったことは、すでにわかっていたα7R Mark IIに加え、α7Sも同じように画面周辺の色付き、周辺光量落ちはないのです。そして一番色付き、周辺光量落ちが大きいのはα7Rで、次いでα7Mark IIとなり、α7Sとα7R Mark IIはどちらも特に問題ないということになりました。

【図1】ソニーα7シリーズとライカMの関係。一般的にインクジェットプリンターでは、プリント解像度100ppiを切るとジャギーが目立つようになります。ただし、それぞれの出力解像度を見分けるのはかなり困難です。(画像をクリックすると大きくして見ることができます)

【図1】には各機種の画素数と画素ピッチ、さらには家庭でプリントできる最大サイズであろうと考えられるA2判へプリントした時のプリント解像度(ppi)の関係などを示しました。一般的にインクジェットプリンターでは、プリント解像度が最低約100ppiあれば、かなりつながりのある写真画像となります。またプリント鑑賞距離にもよりますが、良好な視力をもった人はプリント解像度700ppiぐらいまでは判別が可能とされていますが、A2判の一般的な観察距離からはその判別はかなり難しい作業となります。これらによって、自分に向いたカメラはどれかなど考えてもらえれば幸いです。なお、A2判は420×594mmですので、実プリントは4辺に余白を10mmずつとった400×574mmとして算出しました。

■サイレントシャッター

α7R Mark IIのシャッターには、機械式先幕シャッター、電子式先幕シャッター、サイレントシャッターと3種類のモードがあります。これをどのように使い分けるかということになりますが、少なくとも表向きはシャッター音が選択の基準となるのでしょう。そこでα7R Mark IIになって新たに入った機能がサイレントシャッターなのです。このサイレントシャッターですが、すでにα7Sにも搭載されていました。まず基本的な機械式シャッターに比べていくつかの違いがあることです。まず、1)作動音が静か、2)機械式シャッターが動作しないのでバックフォーカスを長くとれる、3)動体を撮影すると歪みが発生することがある、などです。このうち、サイレントシャッターモードは演奏会や舞台撮影のような音の発生が嫌われる場面では重宝されます。また、バックフォーカスが長くとれることに関しては、一部いままで使えなかったレンズが使える可能性があるということ、さらに動体の撮影では逆に歪みを利用して、20世紀初頭のフランス人写真家アンリ・ラルティーグのような歪んだ走行する車の写真が撮れるのもおもしろいです。

【作例8:サイレントシャッターモードでの動体撮影】 プログラムAE(F14・1/2000秒)、ISO6400、AWB、Jpeg.ExtraFine(5424×3616)、AF、手持ち撮影、Vario-Tessar T*FE16-35mm F4:焦点距離19mm。何気なく見ると見過ごしてしまうほどの歪みです。被写体の走行速度、運動方向、撮影距離などによっても異なります。経験的には歪みは少ないほうだと思います。(画像をクリックすると画素等倍で見ることができます)

【作例9:5軸手ブレ補正の効果】 プログラムAE(F5.6・1/5秒)、ISO6400、AWB、Jpeg.ExtraFine(5424×3616)、手持ち撮影、Vario-Tessar T*FE16-35mm F4:焦点距離16mm。(画像をクリックすると画素等倍で見ることができます)

このうちバックフォーカスが長くとれることに関しては、僕の友人のHさんは、α7RのときにライカMマウントに改造した京セラ・コンタックスのGホロゴン16mmF8を取り付けて、撮像素子と機械式シャッターが干渉しないでいいやということで、シャッターを切ったとたんに見えていなかったシャッターが作動し、レンズ最後部とシャッター幕がぶつかり、シャッターが動作不良となり、修理にだして1.5万円超えの重修理となりました。このようなことはサイレントモードではなくなるはずですが、もちろんこの使用をお進めできるわけでなく、Hさんのように自己責任で行うということはいうまでもありません。そして、撮影画像の歪みはCMOSシャッターのローリングシャッター現象というわけですが、そのような現象の発生する場面を探すのは簡単なことです【作例8】。このような現象は、撮像素子にCMOSを採用したからですが、フィルムカメラ時代のフォーカルプレンシャッターの時にも似たような現象が発生していたわけでして、実際アンリ・ラルティーグのような写真家が存在したのです。

■5軸の手ブレ補正機構

α7R Mark IIでのもうひとつの新しい部分は、5軸の手ブレ補正機構が搭載されたことです。ただしこの5軸の手ブレ補正機構は、本機が最初ではなくすでに先行したα7IIに搭載されていました。この5軸手ブレ補正機構を使ってのスローシャッターで撮影した例として【作例9】を紹介します。レンズはVario-Tessar T*FE16-35mm F4の焦点距離16mmポジションであり、F5.6・1/5秒、ISO6400でした。最高4.5段分の補正効果を実現ということですが、この作例の場合はシャッター速度が1/5秒なので、少な目にみて4段分効果があったとすると、実用上はシャッター速度1/80秒で切ったのと同じ効果かとも考えたのですが、掲載にあたっては複数枚切った中で最も良いのを選びましたが、ノイズと一緒に見ることになり、ブレていないのか、それともブレているのか、そのあたりを判断するのは難しいのでした。ここでは作例写真には示しませんでしたが、複数回シャッター切った中に、画面の一部がある方向に流れたようなカットがいくつかあったのです。もちろん画面中の人物はブレている人もいますが、こちらはシャッター速度が遅いことによる被写体ブレなのです。
このほか、AF精度の高いコントラスト検出方式と、AF速度に優れた位相差検出方式のメリットを兼ね備えた「ファストハイブリッドAF」を搭載などの特徴がありますが、ここでは省略させていただきます。

【写真5】撮影に使ったカメラとレンズ。左:α7Rに Sonnar T*FE35mmF2.8を装着、右:α7R Mark IIにVario-Tessar T*FE16-35mm F4を装着。(画像をクリックすると大きくして見ることができます)
■ランダムに写してみたら

ここでの写してみた結果は、ランダムな撮影で特徴がでたものを、いくつかピックアップして紹介します。撮影レンズは、SonnarT*FE35mmF2.8とVario-Tessar T*FE16-35mm F4 ZA OSS【写真5】、さらにM42マウントのPlanar T*50mm F1.4 ZSをマウントアダプターを使い撮影してみました。このうちVario-Tessar T*FE16-35mm F4はズームなのに高画質だと評判のレンズです。また、ソニー専用FEマウントレンズはすべてAFで、M42のPlanar T*50mm F1.4 ZSはMF撮影です。

【作例10:神秘なお堀】 プログラムAE(F8・1/250秒)、ISO100、AWB、Jpeg.ExtraFine(5424×3616)、手持ち撮影、Vario-Tessar T*FE16-35mm F4:焦点距離16mm。(画像をクリックすると画素等倍で見ることができます)

【作例10:神秘的なお堀】
英国大使館の正面玄関を撮影に行った日に、あまりにも天気がよいので、改めて千鳥ヶ淵公園を昼食後の運動をかねて歩いてみました。晴天の青空と対比的に緑色の樹木、お堀の水など、それぞれのグリーンの微妙な違いの中に神秘的な色再現をしてくれました。お堀の石垣はシャドー部にありますが、画素等倍に拡大するとしっかり描出されており、背景の樹木の葉、草など細かい部分もまずまずといった感じで分離しているのがわかります。高解像であるだけに、ズームレンズの描写としては必要十分な画質というわけです。
プログラムAE(F8・1/250秒)、ISO100、AWB、Jpeg.ExtraFine(5424×3616)、手持ち撮影、Vario-Tessar T*FE16-35mm F4:焦点距離16mm。

【作例11・赤い滑り台】 プログラムAE(F7.1・1/200秒)、ISO100、AWB、Jpeg.ExtraFine(5424×3616)、手持ち撮影、Vario-Tessar T*FE16-35mm F4:焦点距離20mm。(画像をクリックすると画素等倍で見ることができます)

【作例11・赤い滑り台】
前回のdp0クアトロのときにも撮影しましたが、遊園地にあった樹脂製の赤い滑り台です。発色はα7R Mark IIのほうがわずかに色鮮やかな感じがします。しかし、これは作る側の画作りへの考え方の違いによるわずかなレベルであり、さらにはモニターが違えばその差はわからなくなる程度で、どちらがよいというような問題ではありません。太陽光のズバリ直射している反射部分は白くヌケており、その部分を画素等倍まで拡大してみると引っかきキズが見えるなど、dp0クアトロのときと大きく変わることはないので、この部分の描写に関しては裏面照射CMOSもフォビオンも同じとみてもよいわけです。
プログラムAE(F7.1・1/200秒)、ISO100、AWB、Jpeg.ExtraFine(5424×3616)、手持ち撮影、Vario-Tessar T*FE16-35mm F4:焦点距離20mm。

【作例12・まるでチャートのようなマンション】 プログラムAE(F7.1・1/400秒)、ISO100、AWB、Jpeg.ExtraFine(5424×3616)、手持ち撮影、Vario-Tessar T*FE16-35mm F4:焦点距離20mm。(画像をクリックすると画素等倍で見ることができます)

【作例12・まるでチャートのようなマンション】
こちらのシーンも前回のdp0クアトロのときにも撮影した場所です。天候、撮影時間はかなり似た感じですが、違うのは、カメラ、レンズ、画素数、撮像方式となります。モニター上で比較すると、シャープさがかなり異なりますが、実際プリントすると通常展示の拡大率では大きな差はでないのではと思うわけです。画素等倍まで拡大して見ると、左側の白いビルの窓枠に倍率の色収差の発生をかすかに見ることができますが、撮影倍率と画素数から考えると実用上はまったく無視できる発生具合です。
プログラムAE(F7.1・1/400秒)、ISO100、AWB、Jpeg.ExtraFine(5424×3616)、手持ち撮影、Vario-Tessar T*FE16-35mm F4:焦点距離20mm。

【作例13・寿人遊星】 絞り優先AE(F2.8・1/60秒)、ISO125、AWB、Jpeg.ExtraFine(5424×3616)、手持ち撮影、SonnarT*FE35mmF2.8。(画像をクリックすると画素等倍で見ることができます)

【作例13・寿人遊星】
被写体は、1986年にハレーすい星が76年ぶりに地球に接近したのを記念して七福神のひとつである宇宙に関係の深い“寿老人”をハレーすい星をイメージして人々の長寿を願って作られたという銅像です。千代田区九段下俎橋公園の喫煙所脇にあります。レンズは、ゾナーという基本的なデザインでありながら、非球面レンズを3枚採用し、内焦方式の単焦点レンズであるためにか絞り開放から高解像であり、4,240万画素という高画素とマッチしています。撮影でピントは寿人遊星に合わせてありますが、画素等倍にして見ても、像の乱れもなく、しっかりと描写しているのがわかります。また、背景のボケ具合もクセなくきれいに描出されました。
絞り優先AE(F2.8・1/60秒)、ISO125、AWB、Jpeg.ExtraFine(5424×3616)、手持ち撮影、SonnarT*FE35mmF2.8。

【作例14・喫茶店】 プログラムAE(F8・1/6秒)、ISO6400、AWB、Jpeg.ExtraFine(5424×3616)、手持ち撮影、Vario-Tessar T*FE16-35mm F4:焦点距離35mm。(画像をクリックすると画素等倍で見ることができます)

【作例14・喫茶店】
閉店直後の喫茶店を外から狙ってみました。5軸の手ぶれ補正機構のところで撮影したように暗くもなく、店内は明るかったので、プログラムAEでF8まで絞り込まれましたが、特別な露出補正をしなく、1/6秒とスローなシャッターでもメニューの文字が読めるくらいに適度なコントラストをもって感じ良く撮影できました。
プログラムAE(F8・1/6秒)、ISO6400、AWB、Jpeg.ExtraFine(5424×3616)、手持ち撮影、Vario-Tessar T*FE16-35mm F4:焦点距離35mm。

【作例15・飲み屋街の看板】 プログラムAE(F8・1/60秒)、ISO500、-2.3EV補正、AWB、Jpeg.ExtraFine(5424×3616)、手持ち撮影、Vario-Tessar T*FE16-35mm F4:焦点距離25mm。(画像をクリックすると画素等倍で見ることができます)

【作例15・飲み屋街の看板】
小さな路地に飲み屋さんがの看板が左右に所狭しと林立しているシーンを狙ってみました。最初は昼間に、次は夜の営業時間帯にと出向き、ノーマル露出でシャッターを切ったところ、面白さがありませんでした。そこで、露出をマイナス側に極端に-2.3EVもシフトさせたところ、周りの店と道路の雰囲気は消え、看板だけが宙に浮いたように見える幻想的な写真が撮影できました。
プログラムAE(F8・1/60秒)、ISO500、-2.3EV補正、AWB、Jpeg.ExtraFine(5424×3616)、手持ち撮影、Vario-Tessar T*FE16-35mm F4:焦点距離25mm。

【作例16・杉並木のタバコ屋さん】 プログラムAE(F4.5・1/60秒)、ISO500、-1EV補正、AWB、Jpeg.ExtraFine(5424×3616)、手持ち撮影、Vario-Tessar T*FE16-35mm F4:焦点距離23mm。(画像をクリックすると画素等倍で見ることができます)

【作例16・杉並木のタバコ屋さん】
日光例弊使街道杉並木の中にあるタバコ屋さんの前です。折からの猛雨の直後でしたので、水溜まりに飛び込む車の水しぶきと、タバコの自動販売機、赤い幟などすべてが異空間の中にあるような光景が、1枚のカットに納まり、意外性のある面白い写真となりました。
プログラムAE(F4.5・1/60秒)、ISO100、-1EV補正、AWB、Jpeg.ExtraFine(5424×3616)、手持ち撮影、Vario-Tessar T*FE16-35mm F4:焦点距離23mm。

【作例17・湖畔の樹】 絞り優先AE(F2.8・1/2500秒)、ISO100、AWB、Jpeg.ExtraFine(5424×3616)、MF、手持ち撮影、Planar T*50mm F1.4 ZS。マウントアダプター使用。(画像をクリックすると画素等倍で見ることができます)

【作例17・湖畔の樹】
日光から金精峠を越えて沼田に行く途中にある丸沼の湖畔で見つけた樹で、池の中に浮く小島に1本だけで生えている感じで、なかフォトジェニックなシーンです。
絞り優先AE(F2.8・1/2500秒)、ISO100、AWB、Jpeg.ExtraFine(5424×3616)、MF、手持ち撮影、M42マウントPlanar T*50mm F1.4 ZS。マウントアダプター使用。

【作例18・シラカバとサルノコシカケ】 絞り優先AE(F5.6・1/60秒)、ISO100、+1EV補正、AWB、Jpeg.ExtraFine(5424×3616)、MF、手持ち撮影、Planar T*50mm F1.4 ZS。マウントアダプター使用。(画像をクリックすると画素等倍で見ることができます)

【作例18・シラカバとサルノコシカケ】
丸沼の湖畔に生えていた白樺の木にサルノコシカケが生えていましたのでねらってみました。50mmレンズですが、最初は絞りF2.8にして撮影してみましたら、背景のアウトフォーカスのボケは口径食の影響もありますが円形に近く、なかなかファンタジックな写真となりましたが、深度が浅すぎるので白樺の質感がでるところまでいきませんでした。そこでもう少し絞り込み、F5.6で撮影したほうの1枚です。このくらい絞ると白樺とサルノコシカケの質感がうまく描写されましたが、背景のアウトフォーカスのボケは小さくなっておもしろさがありません。でも主要被写体のボケが大きく目立ちますので、このくらい絞ったほうが好みの絵柄です。
絞り優先AE(F5.6・1/60秒)、ISO100、+1EV補正、AWB、Jpeg.ExtraFine(5424×3616)、MF、手持ち撮影、M42マウントPlanar T*50mm F1.4 ZS。マウントアダプター使用。

■終わりに

新型の高画素タイプ登場というわけで、実際の写真展示を想定して大伸ばしプリントまでやりましたが、意外や意外、画素数の増加よりも、高感度、周辺光量の増加などと、裏面照射タイプゆえの長所が目につく結果になりました。高画素に対しては、すでにニコン/ソニーの3,600万画素、キヤノンの5,060万画素が実用化されているところへのソニーの4,240万画素の登場となったわけですが、この裏面照射タイプのフルサイズセンサーを武器に、ソニーはこの時期から価格設定を見ても明らかなように、攻めに入ったと考えるわけです。今後、ソニーは、何時このセンサーを外販開始するのだろうか、これからフルサイズへの参入を表明しているリコーはどういうセンサーを使うのだろうか、ライカはどうするのだろうかなど、これからのデジタル一眼各社の動向は大いに気になります。
(2015.09)