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ライカに始まりライカに終わる · 連載コラム(市川泰憲)

第三十回「シグマdp3クアトロを使ってみました」

コーナー名
ライカに始まりライカに終わる
著者
市川泰憲(写真技術研究家、日本カメラ博物館)
対象機材・テーマ
シグマdp3クアトロを使ってみました
概要・導入
シグマのdpクアトロシリーズにdp3がラインナップされました。このdpクアトロシリーズはフルサイズよりAPS-Cと小面積でありながら、フルサイズの画素数より少なくても、高解像な写真が得られる特異なカメラなのです。従来、デジタルカメラの画質は、撮像素子の面積と画素数に大きく依存することは知られてきましたが、その常識が通用しないカメラなのです。 このdpクアトロシリーズは、当初の発表時には、35mm判28mm相当画角のdp1クアトロ、45mm相当画角のdp2クアトロ、75mm相当画角のdp3クアトロの3機種だったのですが、去る2月の「CP+2015」直前の発表では、さらに21mm相当のdp0クアト…

1. 歴史・機構・蘊蓄(エッセイ・解説)

シグマのdpクアトロシリーズにdp3がラインナップされました。このdpクアトロシリーズはフルサイズよりAPS-Cと小面積でありながら、フルサイズの画素数より少なくても、高解像な写真が得られる特異なカメラなのです。従来、デジタルカメラの画質は、撮像素子の面積と画素数に大きく依存することは知られてきましたが、その常識が通用しないカメラなのです。
このdpクアトロシリーズは、当初の発表時には、35mm判28mm相当画角のdp1クアトロ、45mm相当画角のdp2クアトロ、75mm相当画角のdp3クアトロの3機種だったのですが、去る2月の「CP+2015」直前の発表では、さらに21mm相当のdp0クアトロ、dp3クアトロに取り付けると90mm相当になるという専用の1.2倍のフロントコンバージョンレンズが追加発表されました。つまりシグマdpクアトロシリーズは、21・28・45・75・90mm相当と5焦点距離のラインナップとなったのです。
【写真1】にはdp3クアトロと同時に発売されたシステムアクセサリーを示しました。左から、dp3クアトロカメラ本体、専用1.2×フロントコンバージョンレンズ、レンズフード、エクステンションフード。【写真2】は、dp3クアトロに、レンズフードとエクステンションフード装着した状態です。フードはdpクアトロシリーズ共通で樹脂製、エクステンションフードはdp3クアトロの専用の金属製で、どちらもしっかりと遮光溝が刻まれています。

【写真1】にはdp3クアトロと同時に発売されたシステムアクセサリー。左から、dp3クアトロカメラ本体、専用1.2×フロントコンバージョンレンズ、レンズフード、エクステンションフード。(写真をクリックすると大きくして見られます)
【写真2】dp3クアトロに、レンズフードとエクステンションフード装着。(写真をクリックすると大きくして見られます)

【写真3】は、エクステンションフードを組み合わせた状態で、そのままカメラに収納できることを示しました。【写真4】では専用アクセサリーの「LCDビューファインダー」を取り付けたフル装備状態です。この状態で、決して重くはないのですが、ゴロゴロ感を十分に感じます。

【写真3】エクステンションフードを組み合わせた状態でカメラに収納。(写真をクリックすると大きくして見られます)
【写真4】dp3クアトロに専用アクセサリーのLCDビューファインダーを取り付けたフル装備状態。(写真をクリックすると大きくして見られます)
【写真5】dp3クアトロカメラ本体に、専用1.2×フロントコンバージョンレンズ装着。(写真をクリックすると大きくして見られます)

【写真5】dp3クアトロカメラ本体に、専用1.2×フロントコンバージョンレンズ装着した状態です。この組み合わせで、特に専用フードは用意されていないようですが、構えた感じは悪くはありません。しかし、LCDビューファインダーを付けるとレンズ先端からアイピースまで約230mmもあり、ちょっとしたものです。
ところでこのdpクアトロシリーズは、シグマ山木和人社長自らが変態カメラと語ったことは知る人ぞ知る逸話で、CP+2015会場でさらに変態カメラ度が増したと指摘されたことを、自社ブースのトークショーで楽しそうに話されていました。その変態ぶりですが、何をもって変態と呼んだのでしょうか。思うに、当初はカメラデザインそのものが『変体』であったと思うのですが、外付け光学ファインダーを用意して取り付けたあたりまではよかったのですが、LCDビューファインダーを用意し、21・28・45・75・90mmと『編隊』を組んだあたりから、確かにこれは『変態カメラ』だと僕自身も思うようになったのです。
冗談はさておき、いくら外観デザインとシステム展開が変態であろうとも、基本的にはどれだけの写り具合を示すかという、カメラとして画質そのものがあるレベルを保持しているからこそ、存在価値があるのです。僕自身は、dp1クアトロがでたときに、「シグマdpクアトロの目指すところ」と題して、ブログのなかで画質、カメラデザイン(カメラの外観)、システムアクセサリーの展開から、撮像素子はAPS-C判でも、目指すところは中判カメラと位置づけましたが、その気配はますます濃厚になってきました。
シグマクアトロシリーズはなぜ高画質なのか、当初は高画素だからだとか、光学ローパスフィルターがないからだとか、単純に考えていて、最近はさらにFoveonセンサーのクアトロ理論を理解しようと考えていました。しかし、それでは基本的には画素数の問題に関してのことだけになり、画質というか描写特性をいうのには画素数の多さだけではいまひとつピンときませんでした。ところが、最近Foveonセンサーは1画素に対し色情報の取得が垂直記録であるのに対し、いわゆるBayer(バイヤー)方式と呼ばれるRGGBフィルターに対応したマトリックス配置方式よりも、解像感が高くなるという説明が一部になされるようになりましたが、なんとなくこれなら理解できる説明なのです。
とはいっても、実際はどうなのでしょうか。やはり難しい理論的な解明も大切ですが、まずは撮影結果を見てみなくてはわかりません。

●dp3クアトロと1.2テレコンバーターでの画質
【作例1】dp3クアトロ本体だけでの撮影結果です。実焦点距離は50mm で、dp3クアトロでは35mm判75mm相当画角が得られます。絞り優先AE(F5.6・1/400秒)、ISO100、AWB。(写真をクリックすると画素等倍で見られます)
【作例2】dp3クアトロに専用の1.2×テレコンバーターを取り付けて撮影したときの結果です。絞り優先AE(F5.6・1/500秒)、ISO100、AWB。(写真をクリックすると画素等倍で見られます)
【作例3】45mm相当のdp2クアトロで撮影。絞り優先AE(F5.6・1/640秒)、ISO100、AWB。(写真をクリックすると画素等倍で見られます)
【作例4】28mm相当のdp1クアトロで撮影。絞り優先AE(F5.6・1/640秒)、ISO100、AWB。(写真をクリックすると画素等倍で見られます)

それではいつものように、まず英国大使館の正面玄関を撮影した結果を報告しましょう。
【作例1】は、dp3クアトロ本体だけでの撮影結果です。dp3クアトロは35mm判75mm相当画角が得られるわけですが、実焦点距離は50mmでF2.8なのです。
【作例2】は、dp3クアトロに専用の1.2×テレコンバーターを取り付けて撮影したときの結果です。テレコンバーターには、マスターレンズとボディの間に入れるリアコンバーター方式と本機のように撮影レンズの前に装着するフロントコンバーター方式があります。リアコンバーターは当然のこととしてレンズ交換式の一眼レフ用に多くあるわけですが、dp3クアトロはレンズ非交換式であるわけですからフロントコンバーター方式となるわけです。したがって実合成焦点距離は60mmとなり、もともとの画角が75mm相当だから、1.2倍掛けで、焦点距離90mm相当の画角となります。
【作例1】と【作例2】は、三脚にカメラを載せて、同じ位置からほぼ同じ時間に撮影しましたが、コンバージョンレンズを取り付けても露出値は大きく変わりません。これが、フロントコンバージョンの特徴でもあるのです。【作例1】と【作例2】のフォーカスポイントは、建物中央上部のエンブレムです。それぞれは焦点距離が異なるわけですから、焦点距離の長いほうが撮影倍率は高くなり、解像度は高くなります。一般的に、コンバージョンレンズを付加すると画像の劣化が心配されますが、このコンバージョンレンズの場合には、マスターレンズ50mmF2.8の専用設計であること、テレコンバーターであるのでマスターレンズの画質の良い中央部だけを使うので、十分な高画質が得られるというのです。実際、写された結果を見ても、そのような心配はないことはわかります。特にこのシーンを準望遠クラスで撮影したのは初めてのことです。もともと画角的には35mm判フルサイズで焦点距離35mm相当を考えていたテストチャートシーンなのですが、改めて正面玄関上部に取り付けられているエンブレムはかなり工芸品的な仕上げがなされているのがわかりました。そして画素等倍にしてご覧いただければお分かりのように、そのエンブレムの加工の緻密さを感じさせるのは、撮影倍率の要素もありますが、フォビオンクアトロならではの画質ではないかと思うのです。
ちなみに、CP+2015の発表時には、28mm相当のdp1クアトロに対し、さらに広角の21mmF2.8のdp0クアトロが開発発表されました。そしてこちらこそフロントコンバージョンレンズではとも思うわけですが、山木社長のCP+2015トークショーでのお話によると、実際シグマは21mmとなるフロントワイドコンバーターの試作をしたそうですが、ワイド系に対しては十分な性能が得られないということから断念し、専用レンズの付いたdp0クアトロが開発されたというのです。
もともとこの英国大使館の正面玄関での撮影は、いつも定点観測的に定位置から行っていますが、基本的には晴天の日の午前10:30前後と決めていますので、他社、他機種のカメラ性能を横断的に概略として知るには本シリーズの他項をご覧いただければ幸いです。とはいっても、dpクアトロシリーズに興味を持っている人にとっては、どの焦点距離が自分にマッチするかというのも大いに気になるでしょうから、【作例3】に45mm相当のdp2クアトロ、【作例4】に28mm相当のdp1クアトロのカットも参考までに掲載しました。ここでお断りしたいのは、比較画像は同時期の撮影ではなく、あくまでも参考データであり、画角の違いをまず実感していただこうというわけです。もちろん画質を比較検討しても問題ない範囲です。

2. 操作方法・メンテナンス・修理のポイント

●さまざまな場面で使ってみました

季節がらと、僕の生活の範囲からすると、ランダムな撮影は自然の風景をねらうことが多くなりました。まずはご覧ください。

【作例5:ソテツの花】絞り優先AE(F5.6・1/160秒)、ISO100、AWB。(写真をクリックすると画素等倍で見られます)

【作例5:ソテツの花】75mm画角(50mm)という単焦点で中距離から使ってみたら、どんなボケを示すだろうかとして撮影したカットです。ソテツの雌花にピントを合わせ、背景がボケる距離での撮影ですが、ボケ具合は素直にくせのない描写を示しています。このカットで驚いたのは、ソテツの雌花の写った部分の分解能の高さです。まずは、画素等倍にして、ソテツの雌花と葉をご覧ください。Foveonならではの、独特なシャープさはおわかりいただけると思います。
絞り優先AE(F5.6・1/160秒)、ISO100、AWB。

【作例6:スイセンの花】絞り優先AE(F5.6・1/400秒)、ISO100、AWB。(写真をクリックすると画素等倍で見られます)

【作例6:スイセンの花】庭園内を歩いていたらスイセンの花が満開でした。その美しさに誘われてシャッターを切りました。露出レベルも適切で、この1枚の写真の中に、スイセンの黄色が大きく占めていますが、後方には濃いめの黄花のスイセンもあり、さらにヒヤシンスなどの紫もあるのですが、とりわけ微妙な黄色の色再現の違いをきれいに分離再現しています。
絞り優先AE(F5.6・1/400秒)、ISO100、AWB。

【作例7:赤いツバキの花】絞り優先AE(F5.6・1/125秒)、ISO400、AWB。(写真をクリックすると画素等倍で見られます)

【作例7:赤いツバキの花】もっと近づいて撮影するようにと赤いツバキの花をねらってみました。もともとこのカメラのレンズは50mmF2.8 MACROとネーミングされているように、接写にも向く中望遠マクロレンズなのです。そこでクローズアップを試みましたが、赤い花びらの色分離もまずまずで、その赤い花びらの中央に花粉をつけた黄色いめしべが、いまを盛りとばかりにほのかな匂いを放っていました。絞りF5.6とわずかな絞り込みながら花粉を含めてシャープな描写を見せてくれました。近づいて撮影すると、被写界深度が浅くなり、手ブレしやすくなるので、手持ち撮影の場合には、感度を上げるなどして対策したほうがよいでしょう。
絞り優先AE(F5.6・1/125秒)、ISO400、AWB。

【作例8:紫色の花】絞り優先AE(F5.6・1/125秒)、ISO200、AWB。(写真をクリックすると画素等倍で見られます)

【作例8:紫色の花】同じように紫色の花びらの周囲に白色の縁取りある花を撮影してみました。このカットで驚くのは、その色分離の良さと花びらのシャープさです。この描写こそが作例5にもありましたFoveonクアトロセンサーの描写ならではのものです。拡大してじっくりとご覧ください。
絞り優先AE(F5.6・1/125秒)、ISO200、AWB。

【作例9:春の木々】絞り優先AE(F5.6・1/160秒)、ISO100、AWB。(写真をクリックすると画素等倍で見られます)

【作例9:春の木々】さらに細かい花だとどうでしょう。春の訪れとともに一斉に咲きだした木々の花をねらってみました。それぞれの花はシャープに解像しており、黄色の花、ピンクの花、赤い花、やっと芽吹いた木の芽の緑、枝の茶色、それぞれすべてがシャープさとともにきれいに色分離しているのがわかります。
絞り優先AE(F5.6・1/160秒)、ISO100、AWB。

【作例10:スチルライフ】絞り優先AE(F11・1/160秒)、+0.3EV、ISO400、AWB。(写真をクリックすると画素等倍で見られます)

【作例10:スチルライフ】75mm相当という画角からマクロレンズ的に使ってみようと試したカットです。本来ならもっとさまざまなフルーツとチーズとかナッツとかあり、それにグラスに注がれたワインでもあればサマになる写真になるかもと思ったのですが、急に思い立ってわが家の冷蔵庫をあさった結果なのですが、かなり寂しいですね。ピントはキウイに合わせましたが、表面の毛、カットされた果肉とタネの描写はさすがでした。しっかりとピントが欲しいので三脚を立てて、F11まで絞っての撮影ですが、意外と深度は浅いのです。
絞り優先AE(F11・1/160秒)、+0.3EV、ISO400、AWB。

【作例11:石仏】絞り優先AE(F5.6・1/125秒)、ISO100、AWB。(写真をクリックすると画素等倍で見られます)

【作例11:石仏】dpクアトロシリーズを使っていて思ったことは、シャープで解像感あふれる写真が撮れる反面、石仏のようなものをねらった時には、表面が固くなりすぎずに、意外と調子が飛ぶようなことがないことです。このカットは、お寺の境内を歩いていた時に見つけた石仏です。真夏日ではなく、春先の柔らかな光の中での撮影ですが、本来なら三脚をセットしての撮影なのでしょうが、手持ちでもブレなく、石仏のもつ細かなディテールを撮影できました。
絞り優先AE(F5.6・1/125秒)、ISO100、AWB。

【作例12:ドーム】プログラムAE(F9・1/800秒)、ISO100、AWB。(写真をクリックすると画素等倍で見られます)

【作例12:ドーム】遠距離の西武球場ドームの屋根が雲の間から差す太陽光で輝いていたので、メタリックな感じがどこまで再現できるだろうかと、シャッターを切りましたが、ドーム屋根のハイライト部がうまく感じをだしてくれました。
プログラムAE(F9・1/800秒)、ISO100、AWB。

【作例13:会津のサクラ】プログラムAE(F7.1・1/500秒)、ISO100、AWB。(写真をクリックすると画素等倍で見られます)

【作例13:会津のサクラ】サクラの花を追いかけてきて、会津の喜多方で見つけた1本サクラです。のどかな田園風景の中に満開のサクラの木が社に植わっていたのです。背景に広がる雪を抱いた会津の山々、まさに日本の原風景ともいえる光景です。Made in Aizuとはシグマ製品のキャッチフレーズ。この会津は、シグマdp3クアトロの故郷なのです。カメラも故郷に帰れてうれしかったのではないでしょうか。遠距離の被写体ですが、ピントは当然のこととしてサクラの花に合わせてあります。画素等倍まで拡大して見ると、花びらがしっかりと解像していて、右の木の枝には鳥が羽を休めていて、その下の地面には、スイセン、クロッカス、チューリップなどが咲いていて、春がきていることを知らせています。
プログラムAE(F7.1・1/500秒)、ISO100、AWB。

【作例14:Hさん】絞り優先AE(F2.8・1/100秒)、ISO400、AWB、三脚使用。(写真をクリックすると画素等倍で見られます)

【作例14:Hさん】アーツ千代田3331に写真展を見に行って、作品の前で作者のHさんを作品とともに撮らせてもらいました。写真ギャラリーというよりは、元学校を利用した展示会場といった雰囲気の場所です。当日は、あれこれと撮影しようと考えていましたので、持参した三脚を使用しました。ISO感度400、F2.8・1/100秒、決して手持ち撮影ができない明るさではありませんでしたが、三脚使用で安心して撮影できました。露出としてはまずまずの適正ですが、+0.3EVでも露出補正すると良かったようです。やはりここは、補助光としてストロボを使うべきなのでしょう。
絞り優先AE(F2.8・1/100秒)、ISO400、AWB、三脚使用。

【作例15:花桃まりさん】マニュアル露出(F2.8・1/80秒)、ISO100、AWB、手持ち撮影、クリップオンタイプストロボ発光。(写真をクリックすると画素等倍で見られます)

【作例15:花桃まりさん】高解像感というと硬い描写という印象がありますが、実は経験的に人物の肌はなめらかに描写されるのもFoveonの特性だと感じています。そこでモデルさんに登場願いました。撮影は、もっと早い時間だとよかったのですが、都合をつけてもらったのが夕方の5時少し前でした。当日は晴天でしたので、その時間でもまだ明るかったのですが、補助光としてストロボを用意していたおかげで無事に撮影できました。ストロボは汎用のクリップオンタイプで、アクセサリーシューの接点に連動して発光するだけのタイプなので、マニュアル露出での撮影となりました。ストロボをISO100・F5.6のオートモードにセットし、手ブレを起こさない程度の高速にカメラ側のシャッター速度を設定し、あれこれと試してみた結果の1枚です。ストロボ光のおかげで、わずかながらキャッチライトが入りました。肌の感じも自然で、右目にピントを合わせましたが、まつ毛にしっかりと合っているのがわかります。ストロボ光が日中シンクロとして機能したようです。
マニュアル露出(F2.8・1/80秒)、ISO100、AWB、手持ち撮影、クリップオンストロボ発光。

【作例16:ミズバショウの花】1.2×テレコンバーターを装着しての作例。実焦点距離60mm(90mm相当の画角)となる。絞り優先AE(F2.8・1/400秒)、ISO100、AWB、三脚使用。(写真をクリックすると画素等倍で見られます)

【作例16:ミズバショウの花】dp3クアトロと同時に発売された専用の『1.2×テレコンバーター』を装着しての作例です。もとのレンズが焦点距離50mm(75mm相当画角)ですので、1.2×テレコンバーターを取り付けることにより焦点距離60mm(90mm相当の画角)となります。撮影は三脚に取り付けてとなりましたが、マスターレンズの時も、テレコンバーターを付けた時にも、焦点距離が長いこと、近接では撮影倍率が高いこと、被写界深度が浅いことなどがあるので、この種の撮影は手持ち撮影では厳しいものがあります。
絞り優先AE(F2.8・1/400秒)、ISO100、AWB、三脚使用。

【作例17:カタクリの花】1.2×テレコンバーターを装着しての作例。絞り優先AE(F2.8・1/500秒)、ISO100、AWB、三脚使用。(写真をクリックすると画素等倍で見られます)

【作例17:カタクリの花】こちらも1.2×テレコンバーターを装着しての作例です。当初は一輪のカタクリの花のアップの撮影をと考えていましたが、撮影のタイミングとしては少し盛りを過ぎた時期でした。そこで花のクローズアップ撮影はあきらめ、群落を撮影することにしました。結果として、前ボケ、後ボケが確認できる写真となりましたが、合焦している部分はいかにもクアトロの描写で、合焦部分は光学平面上横に帯を引いたようにピリッと描写しています。アウトフォーカスしたボケの部分はご覧のようにくせのない描写で、深度は実焦点距離で考えている以上に浅い印象です。広角系のdp1クアトロ、dp2クアトロではあまり考えなかったことですが、このためにはぜひ絞り込みによるプレビューが可能になるといいなと思うわけです。
絞り優先AE(F2.8・1/500秒)、ISO100、AWB、三脚使用。

●終わりに

これで、このレポートで残す機種は“dp0クアトロ”の使用だけとなりました。すでに2月に開催されたCP+2015で展示されたのですから、遅くとも年内には発売になるでしょう。そこで改めて、dpクアトロシリーズがすべてラインナップされた時の使い方を考えてみたのですが、結局、4台同時に持ち歩くということがベストなのかもしれません。今回の撮影に当たり、改めてdpシリーズのアクセサリーを調べていたら、何と3台を同時に収納できるウエストバックがあるのです。これにはびっくりしました。dp0クアトロからdp3クアトロまでの4台入るバックもでてくるのかなとも考えましたが、いや1台は首から下げて、残り3台をバックに入れればいいのかな。いや、その時テレコンバーターの収納はどうしたらいいのだろうかと考えたら、なかなか楽しいのです。
なお、参考までにCP+2015での山木社長のトークは、YouTubeにアップされていますのでそちらをご覧ください。クアトロセンサーを使った一眼レフ、フルサイズのクアトロセンサーについても言及するなど興味あるお話です。また、Foveon dpクアトロセンサーの技術についての詳細は、本シリーズの第二十五回「シグマdp2クアトロ」に記述してありますので、そちらを参照してください。
2015.5