クラカメ探検隊 · 一眼レフ
ICAREX 35s
1. 歴史・機構・蘊蓄(エッセイ・解説)

イカレックス35は、フォクトレンダーとツァイス・イコンの共同開発によって1966年に発売されたカメラです。両社の資本関係が、このようなカメラが生んだ背景にあるといわれています。(その後、フォクトレンダーとツァイス・イコンは事実上合併しています。)ボディにはツァイス・イコンのロゴが刻印されており、ツァイス・イコンの製品としてあつかわれることが多いのですが、レンズはフォクトレンダーのものが多いことから、実際の製造はフォクトレンダーの工場が担当していた可能性が高いとされています。発売された1966年当時は、ファインダープリズムの交換ができるシステムカメラとして話題をよびました。
機種は全部で4種類で、発売当時のイカレックス35に対し、プリズムを固定してTTL露出系内臓にしたのが今回ご紹介するイカレックス35sです。レンズの着脱方式が特徴で、スピゴット方式というネジとバヨネットの中間のような方式で、70年にねじマウント(M42)が発売され、ボディにはBM(バヨネットマウント)かTM(ねじマウント)のマークが入るようになりました。
それではイカレックス35sを見ていきましょう。
- 発売:1966年
- 型式:35mmフォーカルプレーンシャッター式TTL一眼レフカメラ
- 画面サイズ:24x36mm
- シャッター形式:横走フォーカルプレーン
- シャッタースピード:B・1〜1/1000秒
- シンクロ接点:FP〜X
- ファインダー:固定式ペンタリズム
- 露出計:TTL絞り込み測光
- 感度連動範囲:ISO25〜1600
- フィルム巻上げ:レバー式
- フィルム巻き戻し:クランク式
2. 操作方法・メンテナンス・修理のポイント

巻き戻しノブを引き上げると一度止まり、さらに強く引くとパカッと裏蓋が開きます。

まずボディ左側のパトローネ室にフィルムを入れ、巻き戻しノブをもとに戻します。スプールの溝にフィルムの先端を差し込みます。パーフォレーションがスプロケットの歯にいずれもしっかりかかっていることを確認し、裏蓋を閉めます。空写し操作を行い、フィルムカウンターを1にします。

レンズの交換の方法です。スピゴット方式というあまり馴染みない着脱方式ですが、操作はいたって簡単です。
まず、レンズの一番根元部分のリングを矢印の方向に回してねじを緩め、そのまままっすぐ手前に引くとレンズは外れます。
つける時は、レンズの内側にある赤点とマウント部の赤点を合わせるように差し込んで、同じようにねじを絞めます。

使用するフィルムの感度に応じて、カメラの設定も変えてやります。チャージボタンの根元にあるダイヤルを回して合わせます。
この場合、感度は100に設定されています。

シャッタースピードをセットします。この場合、シャッタースピードは250に設定されています。
チャージレバーのところにあるボタンは露出計のON/OFF切り替えレバーになっていて、チャージレバーを回すと自動的にONになります。

露出を決めるときは露出計をONにします。するとファインダー内の露出計指針が動きます。露出計指標の山と山のあいだを指針が指すと適正露出なので、レンズの絞りを調節して露出を決めます。絞り込み測光なのでファインダーは絞り込むほど暗くなります。
また、ファインダー内の表示にシャッタースピードを示す部分はないので、シャッタースピード優先で使った方が楽でしょう。
露出計を使わないときはスイッチをOFFにしておきます。

ファインダー内でピントのあう範囲を直接確かめたい場合は、プレビューボタン(円印)を押します。多少ファインダー内が暗くなりますが、セットした絞りまで絞られ、ピントのあう範囲やバックのぼけ具合が見られます。また、このボタンが露出計のスイッチON/OFF切り換えにもなるので、露出計を使わないときはスイッチをOFFしておきます。

セルフタイマーで撮影するときは、セルフタイマーレバーを回すとセットされます。このときフィルムが巻き上げられているか確認します。ロックはないのでレバーから手をはなすと作動しはじめ、約8秒後にシャッターが切れます。

撮影後、フィルムを巻き戻すときは、まず巻き戻しボタンをを押します(円印)。
巻き戻しクランクを起こして、時計回りに回してフィルムを巻き戻します。回していると途中で抵抗があり、次に軽くなったところで巻き戻しは完了です。
巻き戻してから裏蓋を開け、フィルムを取り出します。このとき、フィルムカウンターは自動的にSに戻ります。
カメラをしまう時には、バネ劣化防止のため、シャッターやセルフタイマーもかけたままにしないようにします。
