クラカメ探検隊 · 一眼レフ
フォトスナイパー
1. 歴史・機構・蘊蓄(エッセイ・解説)

このカメラは望遠撮影がライフル射撃感覚で楽しめるロシア製のカメラ、その名も「フォトスナイパー」です。一式セットのバッグの中身をあけると、カメラボディと標準レンズ、300mmの望遠レンズ、フィルター、ライフル型グリップ、肩あてなどが入っています。
カメラはゼニット122Sで、シャッタースピードがBと1/30〜1/500秒でセルフタイマー付き。フィルム感度はISO16〜640まで。TTL絞り込み測光で、ファインダー内に適正露出、オーバー、アンダーの警告がLEDで表示されます。
標準レンズは58mmF2のMC HERIOS-44M-7。絞りF2〜16、最短撮影距離0.5mのM42マウントです。一方望遠レンズは300mmF4.5のTAIR-35。絞りF4.5〜22、最短撮影距離が3mで同じくM42マウント。フィルターは300mmレンズ用でUV、O、YG、Y1.4、Y1.2の計5枚が入っています。
ピストル型グリップにカメラボディと300mmレンズを取り付け、狙いを定めたら引金を引いてレリーズします。
レンズはこのほかにも標準レンズとしてHERIOS-44M-4、MC HERIOS-44M-4、HERIOS-44M-5、MC HERIOS-44M-5、HERIOS-44M-6、MC HERIOS-44M-6、HERIOS-44M-7、MC HERIOS-44M-7があり、望遠レンズはMC TAIR-3Sがあります。スペックはここで紹介しているものと同じです。
またフォトスナイパーのこれより以前のモデルもあります。基本的なセット内容は同じですが、ボディがZENiT-ES、標準レンズはHERIOS-44-2、望遠レンズがTAIR3-FSとなっています。また革ケースに入れるのではなく金属製のトランクにボディ、レンズなどをネジで固定するようになっていて、こちらの方がより「らしい」作りになっています。詳しくはこちらへ。
では、使い方を見ていきましょう。
- 型式:望遠レンズ付きライフル型35ミリ一眼レフ
- ボディ:ZENIT-122S
- マウント:M42マウント
- 標準レンズ:MC HERIOS-44M-7 58mmF2、最小絞り16、最短撮影距離0.5m、画角40.5度、フィルター径52mm
- 望遠レンズ:TAIR-3S 300mmF4.5、最小絞り22、最短撮影距離3m、画角8度、フィルター径72mm
- フィルム感度:ISO16〜640
- 露出機構:TTL絞り込み測光
- シャッタースピード:B、1/30、1/60、1/125、1/250、1/500
- フィルム巻き上げ:レバーによる、セルフコッキング
- フィルム巻き戻し:クランク式
- 電源:3V電池2個
- 大きさ:560×235×138mm
- 重さ:3.0kg
2. 操作方法・メンテナンス・修理のポイント

まず、標準レンズでの撮影の方法です。カメラにレンズを取り付けます。マウントはM42(プラクチカ)マウントです。

電池を入れましょう。ボディ裏面のこの部分が電池室です。コインなどで反時計回りにまわして蓋をはずし、+/-に注意して電池を入れます。正しく入れば元のように蓋をし、時計回りにまわして閉めておきます。

フィルムカウンターをスタート位置に戻します。シャッターレリーズボタンの手前にある四角いボタンを押すと、フィルムカウンターが「S」の位置にセットされます。

フィルムを装填します。フィルム巻き戻しクランクを上に引き上げると裏蓋が開きます。

左側に35ミリフィルムのパトローネを入れ、右側のスプールにフィルムの先端を差し込み、スプロケットにフィルムのパーフォレーションがしっかりと噛み合っているのを確認したら、裏蓋を閉じます。

フィルムカウンターが「1」の位置になるまでフィルムを空送りします。(実際には目盛り表示は「0・2・4・・・」となっているので「0」と「2」の間の「・」がフィルムカウンター窓のまん中に来るようにします)

フィルム感度を設定します。フィルム巻き戻しクランクの回りのダイヤルで使用するフィルムのISO感度に合わせておきます。

シャッタースピードを設定します。

絞りを設定します。

シャッターボタンを半押しにするとファインダー内に露出警告のランプが表示されます。まん中の緑のランプが付けば適正露出、上の赤いランプが付くと露出オーバー、下の赤いランプが付くと露出不足です。

セルフタイマーのセットはボディ横のこのダイヤルを回します。

先ほどのダイヤルを上方向へ回し、このセットボタンを押すとダイヤルを回した量によってセルフタイマーがスタートします。セルフタイマーをセットしている時は緑、通常は赤い表示が見えています。

300mmレンズの場合です。標準レンズを取外して300mmレンズを取付けます。

ライフル型グリップを付けた時は、カメラボディ下部のこの部分がシャッターレリーズボタンになり、引き金を引くとここに伝わる仕組みになっています。

レンズにライフル型のグリップを付けます。レンズの下側についているネジ穴にライフル型グリップの中央付近のネジをねじ込んで固定します。

カメラ底部のシャッターレリーズ部のネジもしっかりと締めておきます。

レンズから出ているケーブルをカメラの写真の部分に差し込みます。これでレンズのセットができました。

カメラ側の基本的な操作は標準レンズを付けている時と同じです。レンズ側で絞りの設定をする時は、まずレンズについてる赤いノブを矢印の方向へ止まるまで回します。

絞りリングを回して希望の絞り値に設定します。この状態では絞りは開放になっています。

ライフル型グリップの引金を1回引くと設定した絞り値まで絞られ、もう一度引金を引いた時にレリーズされます。
※写真の引金の部分をクリックするとシャッター音が聞けます。(28kバイト)

ピントはこの部分のダイヤルで合わせます。

撮影が済めばフィルムを巻き戻します。フィルムカウンターを「S」に戻す時に使用したボタンがフィルム巻き戻しボタンです。このボタンを押してスプロケットをフリーにします。

クランクを引き起こし、矢印の方向へ回してフィルムを巻き戻したら、先ほどと同じ手順で裏蓋を開けてフィルムを取り出しておきます。

これでフォトスナイパーを終わります。

これが旧モデルのフォトスナイパーです。カメラボディはZENiT ES、シャッタースピードはBと1/30〜1/500秒、MF、X接点、セルフタイマー付き。フィルム感度はASA16〜500まで。ボディ上部の窓の露出計指針で露出を確認できます。 望遠レンズはTAIR-3-Phs300mmF4.5。
標準レンズは58mmF2のHERIOS-44-2です。自動絞りではないので開放で焦点を合わせてから絞り込みリングを使って必要な絞り値まで絞って撮影します。また、新タイプはフィルム巻き戻しがクランク式になっていますが、こちらの旧タイプではノブによる巻き戻しです。カメラ上部のシャッターボタンと反対側にあるフィルム感度設定ダイヤルのまん中にフィルム巻き戻しのノブがあります。通常はカメラ内部に埋まった状態になっているので使用する時は反時計回りにまわしてノブを引き出してから、時計回りに巻いてフィルムを巻き戻していきます。
その他のセット内容は、フィルター5枚、ライフル型グリップなど、新タイプのフォトスナイパーと同様です。これらのセットが入っているケースは金属製のトランクで重々しく、フォトスナイパーというカメラにはこの方がよく似合っているように思います。 カメラの基本的な使い方は新タイプと同じですので操作の違う部分について次ページから見ていきましょう。
- 型式:望遠レンズ付きライフル型35ミリ一眼レフ
- ボディ:ZENiT ES
- マウント:M42マウント
- 標準レンズ:HERIOS-44-2 58mmF2、最小絞り16、プリセット絞り
- 望遠レンズ:TAIR-3-Phs300mmF4.5、最小絞り22、プリセット絞り
- フィルム感度:ISO16〜500
- シャッタースピード:B、1/30、1/60、1/125、1/250、1/500、X、MF接点、セルフタイマー付き
- ファインダー:全面マット
- 露出計:セレン露出計読み取り式
- フィルムカウンター:順算式、自動復元なし
- フィルム巻き上げ:レバーによる、セルフコッキング
- フィルム巻き戻し:ノブ式
- その他:300mmレンズ用フィルターフィルター5枚(UV、O、YG、Y1、Y2)

これが旧タイプのフォトスナイパーのセット内容です。
金属製のトランクにカメラ本体、標準レンズ、望遠レンズ、フィルターなどが入っています。それぞれトランクにネジ止めできるようになっていて、トランクの中で移動したりぶつかりあったりすることはありません。

露出の設定の仕方です。まず写真部分のダイヤルでフィルム感度を設定します。そして撮影したいものにカメラを向け、一番外側のダイヤルを回して露出計の窓にでる指針と○が合うようにします。ダイヤルで適正な絞り値とシャッタースピードを読み取り、それぞれ設定します。

セルフタイマーがこの部分についています。レバーを矢印の方向へ回してスタートボタンを押すとセルフタイマーが動きます。

フィルムカウンターは自動復元ではないのでフィルムを入れる際にスタート位置に戻しておきます。フィルムを巻き上げれば順算式でカウンターが動いていきます。

フィルムカウンターの隣にあるのがフィルム巻き戻しボタンです。フィルムを巻き戻す時はこのボタンを押してスプロケットをフリーにします。

フィルム巻き戻しノブの引き出し方です。フィルム感度ダイヤルのまん中のノブを指の腹で反時計方向に回すとノブが出てきます。(写真右)
そのノブを時計方向に回してフィルムを巻き戻します。
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