クラカメ探検隊 · 中判
1000F
1. 歴史・機構・蘊蓄(エッセイ・解説)

1948年、スウェーデンのカメラメーカー、ハッセルブラッドから発売された初のカメラ「ハッセルブラッド1600F」から高速1/1600秒をのぞき1/1000秒までのシャッタースピードとしたものが「ハッセルブラッド1000F」です。1953年に発売されています。
1000FのFはフォーカルプレーンシャッターのFであり、1600Fを開発するにあたり高速の得られないレンズシャッターよりもフォーカルプレーンシャッターを採用しました。しかし当初1/1600秒までとしていた高速シャッターも、モデルチェンジで1/1000秒までとなり、これが今回紹介するハッセルブラッド1000Fとなります。レンズはイーストマンコダック社からOEM供給されたもので、これは自社でカメラを製造し始める以前からコダックの写真機材を輸入していたことによるものでしょう。標準レンズはエクター80mm/f2.8です。
それでは、使いかたを見ていきましょう。
- 発売:1953年
- 型式:6×6センチ判フォーカルプレーン一眼レフカメラ
- 使用フィルム:120ロールフィルム
- レンズ:エクター80mm/f2.8
- シャッター速度:B,1〜1/1000秒
- フィルム送り:ノブ式
2. 操作方法・メンテナンス・修理のポイント

フィルム装填するためにフィルムバックからロールホルダーを取り出します。つまみを左にひねり引き出すとホルダーが取り出せます。

ホルダーの下側にフィルムをセットします。

ホルダーを取り出す時に使用したつまみを時計回りに回すとクランプが開きます。その下にフィルムを通すようにします。つまみを反時計回りにまわしてクランプを閉じフィルムを押さえておきます。

フィルムの先端を空のスプールの切り込みへ入れ、少し巻き込んだらもとのようにマガジンに戻しつまみをロックしておきます。

フィルム感度メモリ用のスケールのついているドアを開くと先ほど入れたフィルムのリーダーペーパーを見ることができます。

ここを見ながら、ロールホルダーを取り出すのに使用したのと反対側についているフィルム送り用つまみを時計方向へ回し、ペーパーの「1」が見えるところで巻き上げをストップします。

巻き上げをストップしたらそのままそのつまみを反時計回りに少し戻すとフィルムカウンターに「1」が表示され、これで撮影準備ができたことになります。

撮影の前に引蓋が入ったままになっていないか確認します。引蓋が入った状態ではシャッターを切ることができません。

ボディ上面のファインダーのつまみを矢印の方向へ動かしファインダーを立ち上げます。

絞りの調節ですが、自動絞りではないので開放以外の絞りにすると暗くてピント合わせができません。そこで希望の絞り値を▲に合わせて(写真赤○)から、絞り込みレバー(写真青○)を止まるところまで回し開放にしてからピントを合わせます。

ボディ前面右下のシャッターボタンを押してシャッターを切ります。

一枚撮影するとフィルムカウンター付近にある小窓が赤くなります。これは撮影不可の状態です。ファインダーをのぞいてもブラックアウトしていて何も見えません。フィルムを巻き上げて撮影可能状態にします。

フィルムの巻き上げは大型ノブで行います。時計回りに止まるところまで回します。

小窓が白になりました。これで次の撮影が可能になります。同時にフィルムカウンターの数字も一つ進んでいます。

シャッタースピードの設定もこのノブで行います。ノブを手前に引き出してから時計回りに回し希望のスピードを選びます。反対回りには回りませんので注意が必要です。

最後のコマまで撮影が済めば(120フィルムで12枚撮り)巻き上げノブを止まるところまで回してから、今度はフィルム送りつまみを時計方向に回していき、フィルムを最後まで巻き取ります。手応えが軽くなったら巻き終わりです。ナンバー確認ドアを開いて完全に巻き取られていることを確認すれば安全です。

これはアクセサリーシューです。写真右のようにシンクロアダプターを取り付けます。
シューの上部にある1から5までのダイヤルはシンクロのアジャスターで、フラッシュバルブの発光までの時間が異なっていたことからこのダイヤルで調整するように設計されていました。

フィルムバックの交換の仕方です。引き蓋が差し込まれていないとフィルムバックを取り外しすることが出来ませんので引き蓋が入っているか確認します。

フィルムバック上部のロックボタンを矢印の方向へ押すと取り外すことができます。

フィルムバックを取り外したボディはシャッター幕が直に見えています。このシャッター幕は非常に薄くデリケートですので、決して手がふれないように注意して取り扱いましょう。

この部分(シャッター幕の下部)にシリアルナンバーが入っていますが、ここからこのカメラの製造年を知ることが出来ます。1234567890の数字をそれぞれVHPICTURES(ヴィクトルハッセルブラッドピクチャーズ)にあてはめます。このボディはCTなので56、つまり1956年に製造されたものであるということです。

フィルムバックをボディに装着するときも引き蓋が入っているか確認します。ボディ下部の溝にツメを引っかけてから上部をボディ側に押し込み取り付けます。

ロシア製カメラにプアマンズハッセルと呼ばれるハッセル1000Fのコピー機があります。初期にはサリュートという名前で発売されていました。その後数代を経て現在ではキエフ88TTLという型になってます。
写真左:サリュート、中:ハッセル1000F、右:キエフ88TTL
