クラカメ探検隊 · 一眼レフ
CanonF1
1. 歴史・機構・蘊蓄(エッセイ・解説)

キャノンが通常の数十倍の費用と時間をかけて作り上げたのがこのキャノンF-1です。地球上の何処でも高水準を維持し、撮影できるカメラを作るには、実に5年もの時間を要したといいます。
耐久性に優れた素材を取り入れ、使い勝手の良さを最優先した結果、連続10万回の撮影を可能にし、また60度からマイナス30度、湿度90%の条件下でもその精度を保証するカメラが誕生しました。
その頑丈さは、後に「カメラの重戦車」と言われたことからも容易にうかがい知ることができます。
また、数々のシステムアクセサリーも用意されています。
最高の画質性能を持つFD交換レンズや、連動・自動補正機構を備えたFDマウント、完全無人自動撮影システムなど新システムも準備されました。
76年にはマイナーチェンジモデルとしてF-1Nが発売されました。
巻上げレバーの操作角が130度と小さくなり、フィルム感度がASA 3200まで対応し、シンクロソケットに抜け止め装置、裏蓋にフィルムメモホルダーが装備されました。
参照:F-1とF-1Nの相違点のページ
- 発売:1971年9月
- 画面サイズ:24mm×36mm
- レンズ:FL、FDマウント交換式
- ファインダー:ペンタプリズム交換式
- 露出計:Cds素子、TTL中央部分開放/絞り込み測光式
- フィルム感度対応範囲:ASA 25〜2000
- シャッター:極薄チタン幕使用、二軸式フォーカルプレーンシャッター
- シャッター速度:B、1〜1/2000秒
- セルフタイマー:内蔵
- シンクロ接点:FP、X接点
- フィルム巻上げ:レバー式
- フィルム巻き戻し:クランク式
- 電源:1.3V HD型水銀電池1個
- サイズ:(ボディのみ)146.7×98.7×43mm
- 重量:(ボディのみ)約820g
2. 操作方法・メンテナンス・修理のポイント

まずレンズの着脱についてです。
取り付ける時は、レンズ側とボディ側の赤点を合わせて右方向に止まるまで回します。
取り外す時は、レンズが外れるまで左方向に回します。

バッテリーチェックです。
フィルム感度を100に、シャッター速度を1/2000に合わせます。
ファインダー内のメーター指針を見ながらメータースイッチをC(青い文字)に合わせます。
このときバッテリーが充分なら針が定点より上を指します。
下を指したなら電池室を開けてバッテリーを調べましょう。
撮影する時はメータースイッチをONにしておきます。

フィルムを装填します。
①を押しながら巻き戻しレバーを引き上げてフィルム室を開けます。
パトローネを定位置に収め、フィルムの先端を溝に指し込んで巻き取ります。
フィルムをきちんと装填したらフィルム室を閉じ、カウンターが1を指すまで空撮りします。
フィルム感度セットリングを回して装填したフィルムの数値に合わせます。
これで撮影の準備が整いました。

誤ってシャッターを押してしまわないように、撮影時以外はシャッターをロックしておきます。

長時間のT(タイム)露出
①シャッター速度ダイヤルをBに合わせ、シャッターボタンを押したまま②ロックボタンを回してLに合わせます。
これで指を離しても、ロックを解除するまで露出され続けます。

A 絞り込み測光
キャノンFDレンズは絞りリングを操作しても、常に開放された状態をファインダー内に伝えています。そしてシャッターを切る時だけ操作した絞りになり、またすぐに開放に戻るようになっています。
したがって実際に絞り込んだ状態で測光したい時に用います。
被写体にカメラを向け、①シャッター速度または②絞りを決めたらピントを合わせ、Aの絞り込み測光レバーを倒します。
それを見ながら①の場合は絞りを、②の場合はシャッター速度を決めてシャッターを切ります。
B セルフタイマー
シャッターをチャージし、Bのレバーを止まるまで下に下ろします。
シャッターボタンを押すと10秒後にシャッターが切られます。

フラッシュについて
キャノンF-1はシュータイプのストロボを直接カメラに取り付けることができません。
使用する場合はアクセサリーシューを用います。

ファインダーの交換
ペンタプリズムを好みのものに交換することができます。
ペンタ部両脇のボタンを押してロックを解除し、手前に引くと取り外すことができます。
取り付ける時はカチッと音がするまでペンタ部を押します。
交換ファインダーはブースターTファインダー、サーボEEファインダー、スピードファインダー、ウエストレベルファインダーなどがあります。

フォーカシングスクリーンの交換
マイクロスプリットプリズム距離計付きが標準ですが、L-Aマイクロプリズム式、L-Bスプリットイメージ式、L-C前面マット式、L-D方眼マット式、L-Fマイクロプリズム式大口径用、L-Gマイクロプリズム式小口径用、L-H目盛線入りマット式、L-I十字綿入りマット式があります。
矢印部を持ち上げて取り外し、交換します。

ミラーアップ
極力ショックを与えずに撮影したい時は、次の方法で撮影を行います。
①セルフタイマーレバーを時計回りに回し、②ミラーロックレバーを反時計回りに回してMに合わせミラーを上げます。
ミラーアップを解除する時は②をもとに戻します。①は自動的に元に戻ります。

多重露出
1回目の撮影後、フィルムを巻き戻して再度撮影することで多重露出が可能です。
1回目の撮影をしたらボディ底部の巻き戻しボタンを押し、フィルムを巻上げます。このとき巻き上げレバーの操作角をいっぱいに使って、1回で巻上げます。
フィルムを巻き上げた回数に関わらず、フィルムカウンターは1目盛ずつ進んでいきます。
これでキャノンF-1を終わります。

左がF-1、右がF-1Nです。
このように外観にはほとんど違いは見られませんが、細かく見てみると、次の3点に大きな違いが見られます。

フィルム巻上げレバーです。
F-1は巻上げ角が130度と小さくなり、フィルムの巻上げが楽にできるようになりました。

シンクロソケットです。
抜け止めが付きました。

ボディ後面です。
フィルムメモホルダーが付きました。
