カメラ温故知新
エプソンR−D1で遊ぶライカLマウントレンズの「温故知新」
1. 歴史・機構・蘊蓄(エッセイ・解説)
「温故知新」
この言葉はMJさんの社是ともなっているようですが、このいささか「じじい趣味」の言葉も、現代のカメラの進化の最前線に立って見ると、なかなか蘊蓄のある言葉であり、意味を持ってくる言葉です。
先月に出版した、1970年代のモノクロ写真集[WIEN MONOCHROME 70s]に続いて、今月(2005年3月)には、2004年に欧州に行って撮影した、エプソンR−D1にて撮影した[CHOTOKU X R-D1]が出版されます。
話題のレンジファインダー式のデジタルカメラのプロトタイプを持参してローマを撮影したのが昨年の4月のことで、その後、昨年の7月の後半にその製品版は発売になったわけですが、その後、10月と12月と、合計3回に渡って、ローマ、ウイーン、プラハなどで撮影したこれはスナップの写真集です。
約8000カットほどの中から、100カットほどを厳選して写真集にまとめました。
モダンなツアイスZMレンズと、戦前のクラシックレンズの実力バトルを写真集で展開しています。
さらに私の同胞である、偽ライカ同盟構成員、坂崎幸之助さんとの「R−D1バトルトーク」も収録されています。
特典付きにてMJブックスで先行予約販売を考えていますので、ご期待ください。
そうそう、この写真集とシンクロして東京ビックサイトにて3月19日の午後1時から、坂崎幸之助X田中長徳の対談をエプソンのブースでやりますので、これもお知らせしておきます。
さて、Lマウントレンズの「温故知新」の本題になります。
ちょうど、カール・ツアイス財団からツアイス・イコンという新鋭機がコシナの生産で登場する、嬉しい春というわけですが、新レンズツアイスZMシリーズもだんだん、その本数を増して来て、これは嬉いですね。
ツアイスZMシリーズレンズは、カメラ人類が手に出来る、21世紀の最もモダンなライカMマウントレンズです。
一方での再発見というのは、昔から存在するLマウントレンズの実力再発見という事実です。ことの起こりは昨年の春に、エプソンR−D1の試作機を携えて、京都に撮影に行き、その時に半分遊び感覚で持参した、戦前のレンズ、ヘクトール73ミリF1,9を使ってみたら、これがデジカメのCCDとの相性が良かったのでしょうか、なかなかの素晴らしい発色でした。
当時、周囲のカメラ人類連中の間では、まだ発売になっていないエプソンR−D1用にちょうど良いとばかりに、ヘクトール73ミリを皆で、探すようになりました。
その影響で、昨年の私の欧州撮影行では、タンバール90ミリ、エルマー35ミリ、ゾナー58ミリなど、往年の銘玉を持参して撮影して見ました。
特に印象に残るのは、軟焦点レンズとして有名なタンバール90ミリが、絞ると遠景の風景写真でなかなかにシャープな描写をすることや、戦前のエルマー35ミリの描写の柔らかさとシャープさとは、現代のレンズの設計技術の「彼岸」に存在する、今のレンズ会社には生産できないレンズであること、などでした。
いったん、昔のレンズの「温故知新」の魅力に魅入られると、Lマウントレンズは瞬く間に数が増えてしまいます。田中光学のタナー、アメリカはウオーレンサックの90ミリベロスチグマット、ドイツはシュタインハイルの35ミリレンズなどなど。
面白いのは、今まであまり市場価値のなかったレンズへの興味が全開になった点です。
しかも、こういう「温故知新レンズ」は、その中古価格が求めやすいのも嬉しいことです。
