カメラ温故知新
田中長徳のカメラ温故知新 vol10 今年のクリスマスプレゼントは、、、
1. 歴史・機構・蘊蓄(エッセイ・解説)
私の場合、毎日がクリスマスみたいもので、毎日とは行かないまでも、毎週か隔週か、あるいは1月に1度はなにかと理由をつけてライカとかその付属品とかを購入しているわけです。
それでもクリスマスともなれば、それなりの物品購入の公式な理由というのが成り立ちますから、おおっぴらに(と言っても払うのは私ですが)にカメラを買うことが出来るわけです。
東京ではこの数ヶ月、非常に不思議な現象が横行しています。
それはニコンのレンジファインダーに付くモータードライブが単体で登場したり、あるいはニコンSPとかS3とか、はたまたニコンS2などと組み合わされて中古カメラ店のウインドウに登場するのですが、大抵の場合、オリジナルのニコンS3にモーター付きというのが、200万円をちょっと切るくらいのプライスタグがついていて、その脇にあるのが、ニコンFのモーターをニコンS用に改造したモノというわけです。
この場合、ニコンS3かニコンSPのボデイと組み合わされて、まあ、オリジナルのセットの4分の一くらいの価格ですから、これはなかなか魅力的です。
厳格なピューリタンのようなニコンコレクターならいざ知らず、各種のレアカメラで各種のモードで遊ぼうというような私には、こういう玩具は恰好の遊び相手ですので、この前、ニコンSPに(これもリペイントのブラック)にくだんのF用モーターを改造したS用モーターが組み合わされて登場した時には、ついつい買ってしまいました。
実はそのちょっと前にニコンSPにレンズ4本だかのセットを売ってしまい、そのお金を受け取る前に、そのニコンSP+モーターがウチに来てしまったので、それなりに大変でした。
この改造SPモーターは、その機構はもともとFもSも同一のユニットでF用には撮影速度を変換する装置などが付いているけど、その部分を外して、ボデイを切り縮めて、電源のソケットをFは斜めの方向に付いているが、それを正面の位置に付け替えれば、そのままニコンS用のモーターになる、、、、、とは、これはニコンS型用のモーターを修理したことのある、銀座のカメラ屋さんの話しですが、それはモノの改造の順序というものであって、我々素人にはどうやって改造するのかさっぱり見当がつきません。
実際、このニコンSPブラック、モーターレプリカ付きというのはかなり良く出来ています。
勿論、上のカメラの部分のニコンSPは、別段ソ連製のコピーではなく、正真正銘の本物ですし、モーターももともと同じ機構だからそのような改造が可能なわけで、こう分析して見ると、ニコンの歴史の中に出てくる「ニコンSPを改造して一眼レフ化したカメラがニコンFなのである」という解説もにわかにそのリアリテイを帯びてきます。
ところで、購入したユニットにはニコンF用の外付けバッテリーパックが付いていました。これは本体とバッテリーパックを普通のコードで結線するので、スナップ撮影にはどうかな、と思っていたらそれから2週間ほどして、銀座の同じカメラ店に、今度はニコンF用のダイレクト結線用のバッテリーケースを、ニコンS用のモーターに改造したモノが登場して、これも入手してしまいました。
以前、ライカM2-Mという200台くらいしか製造されなかったライカM2のモーター付きを持っていました。
これはバッテリーケースの背が高いので、実際には一度も屋外に撮影に行ったことはなかったのですが、このSP+改造モーター+改造バッテリーモデルは、かなり携帯性があるので、時代と気分は1950年代末期という、カメラの楽しみ方をしている2003年にクリスマスです。
