クラカメ探検隊 · コンパクト
Picny
1. 歴史・機構・蘊蓄(エッセイ・解説)

今回紹介するPicnyはベスト版(127版)フィルムを使いますが、他に35mm版やボルタ版を使うPicnyもある、
ちょっとバリエーション展開のおもしろいカメラです。
性能的には焦点合わせが目測だったりシャッタースピードが1/100秒までしかなかったりと、慣れていないと
ちょっと難儀な代物です。しかしながら本体部分が名刺とほぼ同じ大きさ且つレンズも沈胴式でコンパクト
なので、ちょいとポケットから取り出してスナップするにはちょうどいいカメラかもしれません。
ただベスト版フィルムそのものが現在ではほとんど生産されていないため、入手は困難を極めるでしょう。
クロアチア製のモノクロフィルムが確認されている他は、120版フィルムを切って手巻きしたものや、それの
手巻きキットが販売されている程度のようです。
それではPicnyの使い方を見ていきましょう。
- 発売:1950年(昭和25年)ごろ
- 型式:ベスト版レンズシャッター式カメラ
- 画面サイズ:38mmx26mm(縦横)
- レンズ:Anastigmat 40mm/f4.5
- シャッタースピード:T・B・1/25〜1/100秒
- ファインダー構成:透視式
- 焦点調節:目測式
- 最短撮影距離:約0.33m
- シンクロ接点:なし
- フィルム巻き上げ:ノブ式
- 大きさ:88x25x58mm(本体部のみ(誤差1mm程度))
- 大きさ:88x47x75mm(突起部、レンズ含む(沈胴時)(誤差1mm程度))
- 大きさ:88x56x75mm(突起部、レンズ含む(引延時)(誤差1mm程度))
- 重さ:340g弱
2. 操作方法・メンテナンス・修理のポイント

はじめに使用するフィルムを確認しておきましょう。
左端が今回使用するベスト版(127版)、真ん中が35mm版、右が120版のブローニーです。
ベスト版フィルムが入手できなくても、120版フィルムをカットして自分で巻くとベスト版もどきが出来ます。

ではレンズを引き出しましょう。
ロック機構がないので、純粋に引き出すだけです。
逆に言えば撮影中、レンズが不意に沈胴しないよう注意する必要があります。

蓋を開けてフィルムを装填しましょう。
このカメラはバルナックライカの様に、裏蓋を開けて本体と圧版の間にフィルムを
滑り込ませる方式を採っています。本機では裏蓋ではなく軍艦部カバーになります。
まず軍艦部にあるカバー開閉ノブを「O」の位置にして、カバーを引き上げます。

中にあるスプールを引き出し、フィルムのベロを噛ませます。
スプールのスリットには広い方と狭い方があるので、狭い方がフィルム先端部側となるようにします。

フィルムを矢印部分に滑り込ませます。
ここが本体と圧版の隙間です。

フィルムをセットできたらカバーを閉めます。
ロックノブを「L」位置にするのを忘れずに。

右肩のノブを回してフィルムを巻き上げます。
背面の赤窓に「1」が見えるまで巻き上げましょう。

絞りを決めます。
レンズの先端付近に小さな金具がありますが、これが絞りセットレバーです。
この例ではf16程度になっています。

シャッタースピードを決めます。
シャッタースピードはレンズ先端のリングを回して設定します。
小さな矢印がありますが、そこで合わせましょう。

レンズ根本のレバーを回してピントを調節します。
この例だと「5m」になっています。

ファインダーを覗いてシャッターを切りましょう。
シャッターは向かって右側(背の高い方)のレバーでチャージ、
左側のレバーがレリーズレバーとなっています。
多重露光防止装置はありませんの注意しましょう。

撮影を終えたらフィルムを取り出しましょう。
軍艦部の開閉ノブを「O」の位置にして上部カバーを外し、フィルムを取り出します。
フィルムスプールは貴重なのでなくさないようにしましょう。

これでPicnyを終わります。
