クラカメ探検隊 · レンジファインダー
MERCURY2
1. 歴史・機構・蘊蓄(エッセイ・解説)

今回は一目見て変わったカメラであると言える、このMERCURY2を紹介しましょう。
見ておわかりのとおり、カメラ上部に半月状のものが飛び出ているばかりでなく、前面にも突起物がいくつか見られます。そして、普通の35mmカメラとほとんど変わらないサイズながら、ハーフ判カメラなのです。
アメリカのユニバーサル・カメラ・コーポレーションというメーカーのカメラですが、この会社は、ベークライト製のおもちゃのようなカメラから、8mmカメラ、映写機、双眼鏡などの軍用品…と様々なアイデアにとんだ製品を数多く作っています。
そのたくさんある製品の中でも高級品の部類に入るというMERCURY2。どのように扱うのでしょうか。
それでは見ていきましょう。
●アメリカ・ユニバーサル・カメラ製
●35mmハーフ判レンズ交換式フォーカルプレーンシャッターカメラ
●ボディ:アルミダイカスト製、裏蓋はちょうつがいの開閉式
●ファインダー:逆ガリレイ式
●レンズ:トリコール35mm/F2.7 スクリューマウント交換式
●シャッター:ロータリー式フォーカルプレーンシャッター、B・T・1/20〜1/1000秒
●焦点調節:直進ヘリコイド式、単独距離計、単独露出計
●サイズ:H95×W140×D60、600g
2. 操作方法・メンテナンス・修理のポイント

まず各部の位置と名前を見ていきましょう。
1)シャッターボタン 2)シャッターケース 3)フラッシュガン用ホットシュー 4)アクセサリーシュー 5)フィルム巻き戻しノブ 6)ファインダー 7)シャッターダイヤル 8)フォーカシングレバー 9)フィルム巻き上げノブ 10)フィルムカウンター 11)フィルム巻き戻し切り替えダイヤル

ボディ裏側には円盤が二つあり、右側が露出表、左側の小さいほうが使用フィルムのメモダイヤルになっています。メモダイヤルの表示は、36枚撮りで65枚、昔の20枚撮りで32枚となっています。


さて、MERCURY2の外見上の最大の特徴といえるボディ上部の半月形の部分です。
このカメラのシャッターは1ページ目で紹介したとおり、ロータリー式フォーカルプレーンシャッターで、シネカメラのような一方回転式のシャッターがこの半月形に内蔵されているのです。回転板式なので、スリットの幅は通常のフォーカルプレーンシャッターのように平行ではなく扇形をしています。(が、角度は一定なので露出には影響ありません。)表と裏には焦点深度表が付いています。


フイルムの装填は簡単です。
底面の端(青い矢印)にあるボタンを押すとボディ裏面が開きます。


左側のフイルム巻き戻しノブを引き上げ、パトローネを入れます。
ノブをおろしてパトローネを固定し、フイルムを引き出して右側の巻き取りスプールにはさみ込みます。


ボディ正面にある巻き上げノブを時計回りに回転させたあと(写真:左)、シャッターボタンを押し(写真:右)、これをくり返すことでスプールにフィルムをしっかり巻き付けます。


フィルムの装填が終了したら、裏蓋を閉じます。

フィルムカウンターは手動セットの順算式で目盛りは65まであります。ダイヤルの1をボディの-マークに合わせておきます。


次にシャッタースピードの合わせ方ですが、シャッターダイヤルは回転式で作動中は回るので、必ずフィルムを巻き上げてからシャッタースピードをセットします。ダイヤルを押しながら、ボディの-マークに目盛りを合わせます。1/20、1/30、1/40、1/60、1/100、1/200、1/300、1/1000と現在とは随分違っています。プラスBとTがあります。

フォーカシングレバーを回して黄色の▼のところに距離の目盛りを合わせます。目盛りはft式で最短撮影距離は1.6feet。


ファインダーは標準専用になっています。今回使用しているのはユニバーサルカメラ製トリコール35mm/F2.7という標準レンズなので必要ありませんが、他のレンズを使用する場合アクセサリーシューに専用ファインダーを取り付けます。(写真:右、黄いろ矢印)
標準レンズにはトリコール35mm/F3.5、F2.7、 ウォーレンサック製ユニベックス・ヘキサーF2などがあり、他に75mm、125mmの望遠レンズがあります。スクリューマウント交換式です。

ファインダーには近距離撮影用の補正マークが付いていますが、撮影レンズの光軸と離れているためほんの目安にしかなりません。大半の部分がファインダーの視野外となります。


撮影です。シャッターを押すと、シャッターダイヤルが回転します。


撮影終了後のフィルムの取り出し方です。
レンズ左下にあるフィルム巻き戻し切り替えダイヤルをREWINDに合わせます(写真:左)。そのあと、右上のフィルム巻き戻しノブで巻き戻します(写真:右)。
完全に巻き戻したら、底面のボタンを押し、裏蓋を開け、フィルムを取り出します。

いかがでしたか。
いかにもクラカメ探検隊にふさわしいという、変わった外観をもつこのMERCURY2。
ボディサイズに似合わずハーフ判カメラというのもまた面白いところです。
繊細さには欠けるかもしれませんが、とにかくどっしりとしていて、頑丈なカメラです。
それでは今回はこれでおしまいです。
