クラカメ探検隊 · 豆・ミニチュア
canon110ED
1. 歴史・機構・蘊蓄(エッセイ・解説)

1972年にイーストマン・コダックにより開発されたポケット・インスタマチックカメラ(110カメラ)は、13×17mmという小さな画面サイズで35mmサイズにも匹敵するような画質が得られるというので、世界に大きな衝撃を与えました。これは1965年に開発されていた35ミリフィルムに28×28ミリの画像が得られるインスタマチック・カメラを小型化したものです。画面ごとに1個のパーフォレーションを持つフィルムを裏紙とともにプラスチック製のカートリッジに入れカメラへのフィルム装填を簡単にできるように工夫されています。
キャノンもこの新しい画面サイズのカメラの開発に乗り出し、作られたのがこの『キャノン110ED』です。1975年3月に発売されています。大口径の25mmF2レンズを持っており、本格的な距離計連動式ファインダー、デート機構などがついた110の最高級機と言えます。絞り優先EEを持ち、F2〜16に相当する値をお天気マークで選ぶことができます。シャッターは1/500〜8秒、X接点直結のホットシューがついています。
同じシリーズとしては『110ED』と同時発売で、距離計とデート機構を省略、レンズをF2.7とした『キャノン110E』、またISO400対応でシャッタースピードが1/1000秒までとなった『キャノン110ED20』が1977年に発売されています。
『キャノン110ED』は発売当時34,000円でした。
- 発売:1975年(昭和50年)3月
- 型式:レンズシャッター式110カートリッジ使用ポケット・インスタマチックカメラ
- 画面サイズ:13×17mm
- レンズ:キャノンレンズ26mmF2.0(4群5枚構成)
- シャッター:電子制御式1/500〜8秒、X接点
- ファインダー:ブライトフレーム付き逆ガリレイ式ファインダー、倍率0.61倍、視野率84%、パララックス補正マーク
- 焦点調節:二重像合致式距離計内蔵
- EE機構:CdS素子使用の絞り優先EE、測光連動範囲=EV-1〜17、フィルム感度=ISO80
- フィルム装填:裏蓋開閉式
- 使用電源:6V、4LR44
- 大きさ:幅142×高さ28×奥行き55.5mm
- 重さ:195g
2. 操作方法・メンテナンス・修理のポイント

最初に電池を入れます。ファインダー接眼部横のスイッチ(写真丸部分)を「OPEN」と書いてある方向へ押しながらフィルム室の蓋を手前に倒して開きます。

一番左に電池室があります。蓋をはずし、+/-に注意して電池を入れます。電池をセットしたら電池室の蓋を閉じます。

バッテリーチェックを行います。バッテリーチェックボタンがカメラ側面についています。「CHECK」と書いたほうへボタンを押しながらファインダーを覗きます。バッテリーが十分あればファインダー内左側にに黄色いLEDランプが点灯します。

フィルムを装填します。110フィルムはカートリッジに入っているのでフィルム室にそのままいれ、蓋を閉じます。

フィルム室の蓋をきちっと閉めたらフィルム巻き上げボタンを写真のように押し、カウンターに「1」がでるまでフィルムを巻き上げます。これで撮影の準備ができました。

まずカメラ前面部の保護カバーを開きます。カバーの●とカメラ側の●が合うところまで開ききります。カバーが開いていないとシャッターをきることはできません。

絞りを設定します。お天気マークによる4段階の設定でF2、4、8、16から選ぶことができます。

ピント合わせは二重像合致式により行います。最短0.6mから無限遠までの目盛りが入っています。

シャッターボタンを押して撮影です。
露出がオーバーの時はファインダー内の右側に赤いLEDランプが、アンダーの時または手ぶれの恐れがある場合はファインダー内左に黄色のLEDランプ(バッテリーチェックと同じ)が付きますので、絞り値を変えるなどしてみて下さい。
※画像のシャッターボタンをクリックとシャッター音が聞くことができます。(38Kバイト)

このカメラにはデート機構が付いています。カメラ側面のダイヤルを回して「DAY/MONTH/YEAR」をそれぞれ設定すれば写真に写し込むことができます。数字はカメラ上部の窓で確認します。
ただし「YEAR」のダイヤルにはなぜか「0」〜「9」までと「76」〜「86」までの数字しか用意されていません。

撮影が済めばフィルムの最後まで巻き上げ、取り出します。これでキャノン110EDを終わります。
