クラカメ探検隊 · 大判
Super Speed graphic
1. 歴史・機構・蘊蓄(エッセイ・解説)
クラカメ探検隊珍しいカメラの使い方講座 Super Speed graphic編

プレスカメラとして有名なスピードグラフィックの歴史は1912年までさかのぼります。
トップハンドルとして知られる初期の型にはフィルムサイズが四種類、1/10ー1/1000、Tのシャッタースピードを
備えていました。グラフィックスプリングバック、ワンタッチで開く前蓋、など距離計こそ無かったのですが ほぼ戦後の型までつづく形をしています。
カメラ上部にキャリングハンドルがついていますのでこの名称があります。
このころはプレスカメラとしての人気はありませんでしたが、1928年の4X5プレアニバーサーリースピードグラフィックからその地位を確立していきます。これはコダックまたはシュナイダーのレンズを装備、ファインダーが上部につきキャリングハンドルはサイドにうつされました。このときから蛇腹もテーパー状からストレート、距離計も装備され戦後の型と基本において変わらなくなります。
この後、リボルビングバックスピードグラフィック、ミニチュア、アニバーサリー、ペースメーカー、クラウン、センチュリーと生産され、1958年にはスーパーグラフィックとして最終型がつくられます。カメラボディも木製から金属製となり大変洗練されたましたが、アオリ機能も初期からと変わるものではありませんでした。
従来、極めて丈夫でシンプルな道具として報道の世界で重宝されたカメラでしたが
フィルムの進歩とともに35ミリカメラにその座を譲っていきました。そのシンプルさと丈夫さゆえ現在でも4X5サイズで手持ち
撮影できる数少ないカメラとして風景写真などの世界で珍重されています。
なお最後のスーパーグラフィックはのちに日本の酒井特殊カメラ製作所によりトヨプレスとしてライセンス生産されました。
ここでは使いやすいグラフレックス社最終型のスーパースピードグラフィックを取り上げます。このタイプから金属ボディとなりリボルビンググラフロックバツク付きで画面縦横の切り替えがワンタッチでできます。Grafrex-1000シャッターがGRAFLEX OPTAR 135mm Rodenstock F4.5に装着されシャッターチャージが迅速におこなえます。
このシャッター付きレンズは270mm/f6.5 Tele-Optarでも供給されました。
2. 操作方法・メンテナンス・修理のポイント

ボディ前面上部のダイヤルを回し、蓋を開けます。

焦点距離ストッパーを右写真のようにレンズに対して垂直に合わせるとロックが解除され、
レンズ部を前に引き出す事ができます。

レンズ部を引き出してレールに乗せたら(左写真)再び焦点距離ストッパーを固定します。
右写真赤丸中の焦点調節ダイヤルを回し、焦点距離を調整します。

前部スタンダードフレームファインダー、接岸部のファインダーをあげます。

被写体にピントを合わせる準備です。二重像合致式なのでのファインダー(左写真赤丸中)を覗きながら 調節します。
フィルムをセットする前に構図、細かいピントも確認しましょう。
ピントフードを開くことにより、ビューカメラとしても使うことができます。アオリを使う場合はピントグラスを使って構図を確認します。

実際に撮影する絞り値にセットします。

レンズ下に付いている絞りバネ開閉ノブを回し、絞りバネを開けます。ボディ後部のピントグラスから被写体を覗き、
構図やピントを確認します。ルーペ等使用するとピントの確認がし易いです。
ピントの確認の後は、絞りバネ開閉ノブを閉じるのを忘れないように!フィルムをセットした時に露光してしまいます。

シートフィルムをセットしたフィルムホルダーをピントグラスとボディの間に挟むようにしてセットします。
ホルダーとボディがずれていると、遮光板を抜いた時に露光してしまうので注意しましょう。

遮光板を抜き取ってしまう前に、シャッターレリーズを確認してみましょう。
レンズ周りの筒状部分を正面から見て時計周りに「カチッ」というまで回すとシャッターがチャージされます。
シャッタースピードを調節し、レンズ横のシャッターを切ってみましょう。

遮光板を抜いて、撮影準備完了です。
このカメラは写真のようにボディ左のグリップを握り、下から右手をレールに添えてしっかりホールディングします。

このカメラには暗がりの中の撮影を容易にするランプ装置が付いています。
ボディ横についている赤いボタンを押すとボディ前面のランプが点灯し、被写体を照らします。
電池室はボディ裏面についています。


ティルト
ライズ
またアオリ機構が使えるのも大型カメラの魅力の一つです。
撮影後は忘れずに正位置に固定してから収納しないと蛇腹を傷める事になります。

フラッシュガン付きのスピードグラフィック(写真左)とスーパースピードグラフィックです。
以上で説明を終わります。
