クラカメ探検隊 · レンジファインダー
NIKON S
1. 歴史・機構・蘊蓄(エッセイ・解説)

ニコンS *I型からスタートしたニコンの35ミリレンジファインダー機は、*M型を経てこのS型で本格的に国際市場へデビューしました。このSシリーズ、「外見はコンタックス、中身はライカ」と評されますが、画面サイズはライカ判よりヨコが2ミリ短い24x34ミリです。アメリカからの要望で、M型にF(ファースト:高速シャッタ-用)とS(スロ-:低速シャッタ-用)のシンクロ接点を付けたのがこのS型の特徴です。 M型からS型への切替は順を追って行われたようで、製造番号も前後に交錯しています。そのため、Mのマ-クが付いたSなど多くのバリエ-ションが存在します。シンクロ接点以外は機能上はMと変わりません。実質的に民間に市販されたのがこのS型カメラからです。 *ニコンI型・・・M、Sより画面サイズがヨコ2mm小さい24x32mm(ニッポン判、またはニコン判といわれます)、スプロケットの爪が7つで 7パーフォレイションで1画面がおくられるため、40枚撮影できるという経済的なサイズでした。ところが当時主な輸出国だったアメリカで、一般的なライカ判(24x36mm)用のオ-トメーション機器に対応できないというクレ-ムが付き、わずか738台で製造中止になりました。機能はM型と同じです。 *ニコンM型・・・I型から画面サイズ24x34mmにし、スプロケットをライカ判と同じ8つ爪に改良したもの。"M"にはライカ判とニコン判の中間(Medium)サイズという意味があるそうです。製造番号の前にもMの文字が彫られています。●発売:1950年12月●型式:35mmフォ-カルプレ-ンシャッター式距離計連動カメラ●画面サイズ:24x34mm ●シャッター形式:横走フォーカルプレーン●シャッター幕:ゴム引き絹羽二重●シャッター設定:回転式ダイヤル高低速同軸●シャッタースピード:T・B・1〜1/500秒●シンクロ接点:F・S ●ファインダー構成:逆ガリレイ式●ファインダーフレーム:全視野50mm用●露出計連動:不可●フィルム巻き上げ:ノブ式●フィルム巻き戻し:A・Rレバーノブ式●枚数計:手動復帰●大きさ(ボディーのみ):136x78x42.5mm ●重さ(50mm/F1.4付)720g
各部の説明
基本操作
2. 操作方法・メンテナンス・修理のポイント
*〜各部の名称〜*

1.レンジファインダ-窓
2.フォーカシングギア
3.フィルム巻き上げノブ&フィルムカウンター
4.シャッターレリーズボタン
5.アクセサリーシュー
6.ビューファインダー窓

7.フィルム巻き戻しノブ
8.ファインダーアイピース
9.2ピン式フラッシュ接点ソケット
(F:ファースト:高速シャッター用、S:スロー:低速シャッター用)

10.スロースピードシャッターダイヤル
11.ハイスピ-ドシャッターダイヤル
12.無限遠ロックレバー
13.フィルム巻き戻し切替レバ-
14.フィルム巻き上げノブ&フィルムカウンター
15.シャッターレリーズボタン

16.三脚用ネジ穴
17.ベースプレートロックレバー

それでは使い方をみていきましょうまずフイルムを装填します。ボディ下部のベースプレートロックレバーの矢印を両方とも<0>に合わせます。

そのまま裏蓋を引くと外れます。フィルムを装填し、右側の巻き上げスプ-ルにフィルムリ-ダ-部分をかませ、裏蓋を閉めます。

裏蓋を閉めたらベ-スプレ-トロックレバ-の矢印を<S>に合わせます。

巻き上げノブでフィルムを巻き上げ、2回空撮りし、フィルムカウンターを<0>にあわせます。赤○のポッチに爪をかけて回転させ、カウンター<0>を矢印に合わせてから撮影を始めて下さい。フィルムカウンターは順算式です。

被写体へのピントの合わせ方です。フォ-カシングギアの後ろにある無限遠ロックレバ-(黄色○)を押すとレンズ右横のロックが外れるので、レンズのフォーカスリングを回すか、ギアを指で動かすかしてピントを合わせます。
ファインダーアイピ-スからのぞき、中央の像を合致させてピントを合わせる二重像合致式です。像がずれている時はアウトフォーカスです。周辺部にピントを合わせたい時は、先にピントを合わせてからフレーミングします。見える範囲は50mmのフレームなので、それ以外の焦点距離のレンズをつかうときにはそのフレームのファインダーが必要です。カメラのアクセサリーシューにそのファインダーを装着してフレーミングして下さい。

レンズ着脱の時は、フォーカスリングを無限遠に合わせてから写真のようにバネの突起を押し、レンズを時計回りに回すとレンズが外れます。レンズをつける時はレンズマウント脇にある赤い点とレンズに付いている赤い点を合わせて、反時計回りにカチッと音がするまでレンズを回して下さい。

シャッタースピードについてです。高速度と低速度のシャッターダイヤルは2段になっています。上の(赤○)部分がハイスピードシャッターダイヤルで、シャッターを巻き上げた後、下段(黄○)のスロースピードシャッターを<20>に合わせてから、上段のハイスピードシャッターのダイヤルを写真のように持ち上げてスピードを合わせます。スピードはB、1/20、1/30、1/40、1/60、1/100、1/200、1/500秒です。 1/20以下のスローシャッターは下段のダイヤルで合わせます。シャッターを巻き上げた後、上段のハイスピードシャッターを<20-1>に合わせてから、レバーで下段のダイヤルを合わせます。スピードはT、1/2、1/4、1/8、1/20秒です。

撮影が終わったらフィルムの巻き戻し切り替えレバーを<A>から<R>に切り替えます。

巻き戻しノブを矢印の方向に回して巻き戻し、裏蓋をベースプレートロックレバーを<0>にあわせて外し、フィルムを取り出します。

以上、ニコンシリーズ初代、ニコンSの使い方を紹介してきました。
