その他コラム・解説 · 大判カメラ
大判カメラのすすめ
1. 歴史・機構・蘊蓄(エッセイ・解説)


大判カメラとは?
■なぜ大判カメラがよいのか
近年、35mmカメラのオートフォーカス化が進み、誰にでも簡単に写真撮影が出来るようになりました。反面6×6センチ,6×7センチ,6×9センチ,4×5インチを使用してハイグレードな作品を望むハイアマチュアの方が増えてきています。4×5カメラ等のアオリを使用すれば、像の歪みを修正する事,遠近感を出す事,絞りが絞れない様な時でもピントを出すこと(平面),カメラ全体の位置を変えずに撮影範囲を変更する事が出来ます。画面も35mm(36mm×24mm)に対し4×5の場合,120mm×94mmと面積で約13倍ありますので、写し込める情報量が多い事、拡大した時の粒状性が細かい事、原版が大きいのでそのままでも鑑賞出来る事などの良さがあります。
ビューカメラとフィールドカメラとの違い
4×5カメラには、ビューカメラとフィールドカメラとの2種類があります。ビューカメラとは、写真1のようなモノレールパイプでカメラを支持しているカメラの事を言います。またフィールドカメラとは、写真2のようなカメラで、持ち運びの際、折りたたんで写真3のようになります。ビューカメラは写真でもお分かりになるかと思いますが、一般的に大きく重量があり持ち運びが不便ですが、アオリ量が大きくまた、蛇腹交換出来ること、モノレールも延長できるのであらゆる撮影が可能です。一方、フィールドカメラはアオリ量こそ大きくありませんが、携帯時軽量でコンパクトになる利点があります。主に、ビューカメラは広告写真、建築写真などで使用されており、フィールドカメラは、風景写真、集合写真等で使用されています。
・TOYO製品の商品ラインナップをコチラをクリック
・TOYO製品のセクセサリー一覧をコチラをクリック
2. 操作方法・メンテナンス・修理のポイント


アオリって何?
アオリについて
小型カメラは、特殊なレンズを除きレンズとフイルム面を平行かつ固定した状態で、撮影していますが、4×5カメラはこの関係をくずす事で、像の歪みを修正したりその他いろいろな事が出来ます。アオリには、シフト、ライズフォール、スイング、ティルトの4種類に大別できます。
シフトアオリについて
シフトアオリはレンズ光軸に対して直角方向に、レンズ又はフイルム位置を左右に移動させる機構。主に構図の修正、歪みの矯正に使用します。この機構を使用することでカメラ全体を動かさずに左右方向へ構図を変更する事が出来ます。この機構を使えば、鏡の中心より左右どちらかにずれた位置から撮影しているのに、鏡の中央で撮ったような写真が出来上がります。
ライズフォールアオリについて
このアオリは、レンズ光軸に対して、直角方向上下にレンズ又は、フィルム位置を移動させる機構。主にシフトアオリと同じく構図の修正、歪みの矯正に使用します。このライズフォールアオリを使用することで、三脚のエレベーター、脚等を伸ばさなくても、上下に構図の修正をする事が出来ます。このアオリはシフトアオリの上下版といえます。
ティルトアオリについて
このアオリは、レンズ光軸に対して、前後方向にレンズ又は、フィルム位置を傾ける機構。主にピントを修正したり、歪みの矯正に使用します。このアオリを使用することで、絞りが開放でも、遠くから近くまでピントを合わせる事が出来ます。
スイングアオリについて
このアオリは、レンズ光軸に対して、垂直な線を軸にしてレンズ又は、フィルムを回転させる機構。主にピントを修正したり、遠近感を出す等に使用します。
イメージサークルについて
イメージサークルとは、レンズを通った光がフィルム位置で結像する範囲のことを言います。大判レンズのカタログを見ると、各種レンズのスペック欄にイメージサークルという表示がされていますが、なぜこの表示がされているのか説明します。まず4×5インチ(画面寸法94×120mm)の対角線は、152mmになっていますので、レンズのイメージサークルが直径152mm以上なければ4×5カメラには使用できない事になります。このイメージサークルはF値(絞り)を絞り込む事により広くなって行きます。(レンズメーカー各社のカタログには、ある程度絞り込んだときのイメージサークルが表示されています。)また、カタログのイメージサークルは、無限遠での大きさになっていますので、近距離になるに従い大きくなります。 大判カメラの場合、このイメージサークルの一部分を切り取ってピントガラスで見ていることになります。ですからイメージサークルが大きいほど、自由に構図の修正(アオリ)ができる事になります。
シャインフリュークの法則について
大判カメラのアオリ機構のうち、ティルト,スイングについてはある法則にのっとって成り立っています。その法則のことを“シャインフリュークの法則”と言います。その法則は、後枠の延長線と被写体の延長線の交点に向けて、前枠の延長線を交わるよう傾けると、絞り開放でも手前から奥までピントが合う法則です。(被写体は平面)(後枠の延長線を交点に向けても同様の効果が得られます。)
・TOYO製品の商品ラインナップをコチラをクリック
・TOYO製品のセクセサリー一覧をコチラをクリック


大判カメラの操作法、必要な道具
大判カメラの撮影手順
これから、大判カメラの撮影手順について説明します。
① ピント、構図、カメラ各部のブレーキ等がかかっているかチェックします。
② 完了後、レンズのシャッターを閉める。(シャッター開閉レバー)
③ シャッタースピード、絞りを合わせる。
④ シャッターをチャージする。(シャッターチャージレバー)
⑤ 空シャッターを切ってみる。
注意※空シャッターを切る理由
ピント合わせをするときは、シャッターを開いていないとピント合わせが出来ません。
しかし、フイルムをカメラに装填して撮影する際は、開いたままではフイルムが感光してしまう為、必ずシャッター
を閉じなければなりません。
大判レンズのシャッターは、シャッターを閉じておかないとシャッターが切れない構造になっていますので、空シャッターを切るくせをつけておくと便利です。
⑥ 確認後、カットフィルムホルダーをカメラに装填します。
⑦ 引き札を抜き取る。
⑧ シャッターを切る。
⑨ 引き札を裏返してホルダーへ戻す。(撮影済みかどうか後で識別する為)
⑩ カメラからホルダーを抜き取る。
以上で、1枚の撮影が完了します。文章で書くとむずかしく思われるかもしれないですが実際やってみるとそんなにむずかしくありませんので、是非大判カメラの世界を体験してみて下さい。
カットフィルムホルダーの装填方法
35mmのフイルムは、パトローネにフイルムが入っていて、そのパトローネごとカメラへ装填して撮影しますが、4×5カメラの場合フイルムが1枚づつ裸になっていて、暗室又はチェンジバック等を使用してカットフィルムホルダーに装填してから撮影します。これからカットフイルムホルダーにフイルムを入れる手順を説明します。 ①フィルムホルダーの引き札を抜きホルダー内部についたゴミ等をブロアーなどで良く清掃する。 ②フィルムホルダー引き札を半分ぐらいまで引き出し、引き札受けをおこす。 ③フイルムをフイルムのノッチ(切り込み状のマーク)が自分の方(手前側)にして右手で持ちます。乳剤面とノッチの関係が決まっている為、ノッチの位置でフイルムのどちらが乳剤面か確認できます。 ④ホルダー内部のガイドに左手の指をそえて、そのガイドの下にフイルムを通し奥まで入れる。注意※フイルムを入れる位置は、事前に明るい所で確認しておいて下さい。⑤その後、引き札受けを閉じ、引き札を奥まで戻す。注意※引き札が完全に最後まで閉じているか確認して下さい。 ※ ②〜⑤までは、暗室又は、チェンジバックで行って下さい。以上が装填方法です。最初は、4×5のフイルムを1枚だめにして、暗室でなく明るい所で練習してみて下さい。最初は目で確認しながら、次に目を閉じて装填出来るようになれば、暗室でも出来るようになると思います。また、最近になってクイックロード、レディーロード等、明室装填タイプのホルダーも市販されています。
4×5カメラには興味があるが、何をどれだけ購入すればいいかわからずなかなかとっつきにくい方がいらっしゃると思いますので、そのことについてお話します。 ① まず、4×5カメラを購入してください。② レンズボード (レンズマウントのようなものです)③ ピントルーペ (だいたい4倍ぐらいが見やすい様です)④ カットフイルムホルダー (このホルダーにフイルムを入れます)⑤ 露 出 計 (できれば風景撮影の場合、スポットメーターで)⑥ 三 脚 (しっかりした三脚)⑦ レリーズ (35mm,中判カメラ等で使用しているものでOK)⑧ 大判カメラ用レンズ (一般的に4×5カメラの場合,150mmになります)⑨ 4×5シートフイルム (1箱に10枚入っています)
4×5を始めたいが、何を揃えればいいのか分からない方へ
LB4Fレンズボード
トヨオリジナルルーペ
カットフィルムホルダー(6枚)
露出計 できればスポットメーター
三脚 4×5をのせるしっかりした物
レリーズ
冠布 ピントチェックの際かぶる布
レンズ 一般的に標準レンズは150mm
フィルム 4×5のシートフィルム
以上の物があれば、4×5の撮影が可能です
150mmを使用して45AⅡカメラで等倍の近接撮影が可能
最近流行のクイックロード、レディーロード、クイックチェンジのホルダーも使用可能
もちろんブローニー撮影も下記の付属品を使えばOK
ロールフィルムホルダー67/45 67撮影用
ロールフィルムホルダー69/45 69撮影用
使用可能レンズは、65mmから300mmまでテレタイプのレンズは400mmまで。別売付属品(1635 4
5AⅡ延長チューブ)を使用することで600mmまで使用範囲が広がります
以上のものが揃えば、あなたも4×5カメラマンになれます。あとはあなたの感性次第です。ぜひ、4×5にチャレンジしてみて下さい。必要なカメラ、アクセサリーの販売ページは下記をクリックしてください。
・TOYO製品の商品ラインナップをコチラをクリック
・TOYO製品のセクセサリー一覧をコチラをクリック
