クラカメ探検隊 · レンジファインダー
WERRA
1. 歴史・機構・蘊蓄(エッセイ・解説)

今回はWERRA(ヴェラ)というカメラについて紹介しましょう。
このヴェラというカメラは、旧東ドイツのカール・ツアイス・イエナから発売されたカメラです。ツアイス・イコンではなくレンズメーカーであるはずのカール・ツアイスが製造したというとても珍しいカメラなのですが、1950年代から60年代にかけてのヨーロッパではよく知られたカメラだったようです。
このカメラの最大の特徴は、何といってもそのフィルムの巻き上げの方法でしょう。
ヴェラには巻き上げレバーなどというものがなく、レンズ回りの大きなリングを回してフィルム巻き上げを行います。ボディに使用されているのと同じガタパチアというゴム系の素材を貼ったこのリングを、カメラに向かって時計周りに約60度回すことでフィルムが巻き上げられ、同時にシャッターチャージもされる仕組みになっているのです。このフィルム巻き上げは非常にスムーズで、当時の東ドイツの技術の高さをうかがい知ることができます。
フィルム巻き上げと同時にシャッターチャージも行われるので、二重露光も完全に防止されます。ただし、逆に多重露光は出来ません。
ヴェラのもう一つの特徴として、その独特のデザインがあげられます。
ボタンや突起物を極力排除したそのデザインからは不思議な印象さえ受けます。
ヴェラは1954年ごろから1961年にかけて多くのモデルが発売されたようですが、最初に発売されたヴェラ1に関しては軍艦部にあるのはファインダーのみというシンプルさです。続いて発売された数々のモデルも、露出計がついたりしたもののカメラから受ける印象は一貫してすっきりとしたものです。
ボディに使用されているガタパチアも、発売当初は黒ではなくモスグリーンが使われており、また軍艦部も丸みを帯びたデザインではなくまっ平らなフラットトップで、さらにユニークな姿をしていたことが想像できます。
さらにレンズフードを兼ねたレンズキャップが独特の雰囲気をつくり出していて、様々な点において、他のどのカメラとも違う「ヴェラ」というオリジナリティがあふれるカメラになっています。
では、使い方を見ていきましょう。
- 発売:1954〜1961年頃、カール・ツアイス・イエナ社
- 型式:35ミリ判レンズシャッターカメラ
- ボディ:アルミダイカスト
- レンズ:テッサー50ミリF2.8
- ファインダー:逆ガリレイ式透視ファインダー、倍率0.8倍
- シャッター:Prestor RVS、B・1〜1/750、X、M、V、ビハインド式レンズシャッター
- 焦点調節:回転ヘリコイド、目測式、最短撮影距離0.8メートル
- 露出計:セレン式
- フィルム巻き上げ:レンズ回りのリングによる(シャッター同時セット) フィルムカウンターは手動復元の順算式、巻き戻しは底面ノブによる
- 大きさ:横117×高72×奥74ミリ
- 重さ:約480グラム
2. 操作方法・メンテナンス・修理のポイント

ヴェラには、レンズフードを兼ねたおわんのような形をしたレンズキャップがが付いています。ネジ式になっているので、まわしてはずします。

フィルムの装填は、裏蓋を取り外して行います。ボディ底部の中央、三脚穴の回りについている裏蓋開閉ダイヤルを反時計回りに止まるところまで回します。

裏蓋が外れます。

右側にパトローネをセットしたら、フィルムの先端をボディ左側の巻取りスプールの溝に差し込みます。

裏蓋をもとのように戻しダイヤルを時計回りに回してロックしたら、ボディ前面のリングを回してフィルムを送り2コマ分空撮りします。

ボディ底部にあるフィルムカウンターを回して1にセットすれば、撮影の準備はOKです。

シャッタースピードと絞りを設定して、撮影します。

フィルムの巻き上げはこのリングを回して行います。この時同時にシャッターチャージもされます。

フィルムの巻き上げは、ボディ底面のフィルム巻き戻しボタンを押しながら、巻き戻しクランクを矢印の方向に回して行います。

レンズキャップはこのようにしてレンズフードとしても使用できます。
これでヴェラを終わります。
