クラカメ探検隊 · 中判
ローライSL66
1. 歴史・機構・蘊蓄(エッセイ・解説)

ローライフレックスSL66が発表されたのは1966年のことです。それまでローライは高級二眼レフメーカーとしてその地位を確立してきましたが、時代は一眼レフへと移行し始めており、ローライも一眼レフへの進出を余儀なくされます。
その頃6×6判の一眼レフカメラとしてハッセルブラッドが特に人気を集めてきたことからローライもそれに続き、このローライフレックスSL66の製造に乗り出すことになりました。
とはいえ、ハッセルにはないユニークな機能を多く取り入れることでハッセルブラッドからの差別化を図り、ローライ独自の6×6判一眼レフを作り上げています。
まず大きな特徴は、フォーカルプレーンシャッターをつけているためにどんな交換レンズでも使用できるということです。30ミリから1000ミリまでのカール・ツァイスレンズが用意されていますが、それ以外のレンズでも使用可能です。これはハッセルブラッドには見られないローライSL66の大きな特徴でしょう。
もうひとつの特徴はレンズ前面に最大繰り出し量50ミリの蛇腹を取り付けていること。して、ティルト・アオリ機構を備えていることです。アオリ機構を利用することにより、斜め位置からの撮影でも被写体全域にピントを合わせることが可能になります。 また、レンズマウントは二重のバヨネットマウントでレンズを逆向きに取り付けて近接撮影を行うことも可能です。
このSL66以降、SL66E、SL66SE、SL66Xとシリーズが続きましたが、1992年をもって生産中止になっています。しかし現在でも実用機として愛好者が多く、人気のカメラと言えるでしょう。
では、使い方を見ていきましょう。
- 発売:1966年 ローライ
- 型式:6×6判フォーカルプレーンシャッター一眼レフ
- 使用フィルム:120・220ロールフィルム
- 標準レンズ:カール・ツァィスプラナー80mmF2.8
- ファインダー:交換式、標準装備は折たたみ式ウエストレベルファインダー
- シャッター:縦走行メカニカルフォーカルプレンシャッター
- シャッター速度:B、1〜1/1000秒、FP・X接点、T
- マガジン:6×6、6×4.5、ポラロイド用など
- アオリ機構:ティルトアオリ(上下各8度)
- フィルム送り:クランク式オートマット
- サイズ:150×175×112mm
- 重量:1930g
2. 操作方法・メンテナンス・修理のポイント

マガジンの交換方法を見てみましょう。左側面の下にある四角いボタンを押しながらマガジンを後ろへ引くと、マガジンがはずれます。引き蓋を入れておくのを忘れないようにしましょう。

このとき、取り外したマガジンに指先のイラストで指し示してあるギアにはふれないように注意しましょう。このギアにふれてしまい正しい位置にないと、故障の原因になることがあります。

マガジンを取り付けるには、ボディ上面のツメにマガジンの引っかかり部分をかけるようにしてから、マガジンの下部をボディ側に押し、カチッとはめ込んでセットします。

フィルムを装填します。使用するフィルムは120ロールフィルムです。裏蓋開閉ロックボタンを矢印の方向へ押すと、裏蓋が開きます。

中枠を取り出しフィルムを入れます。中枠の左側が上下それぞれ外側に倒れますので、下側にフィルムをセットします。

上側の空のスプールにフィルムの先端を通し少し巻き付けます。

もとのようにマガジンにセットします。

裏蓋を閉めたら、写真部分のノブでフィルムを止まるまで巻き上げます。止まれば一枚目の撮影位置です。ノブをボディ側に押し込んでおきましょう。この時点でフィルムカウンター(写真青○部分)は「1」をさしています。

フィルムをセットできたら、引き蓋を引き抜いておきます。引き蓋が入っている状態ではシャッターを切ることはできません。また、シャッターがチャージされている状態でないと引き蓋を入れることはできません。

シャッターボタンにはロック機能がついています。赤い印が真横にきていればシャッターを押すことが出来ます。
※画像のシャッターボタンをクリックするとシャッター音(1/60秒)が聞くことができます。(40Kバイト)

フィルム巻き上げはクランクで操作します。同じ方向にくるくる回すのではなく、時計回りに止まる所まで回し、次に反時計回りに止まる所まで回すというローライ伝統のスタイルです。これでシャッターがチャージされます。

ファインダーは写真の部分を上へ上げると自動で立ち上がります。ファインダーを覗きながらピント調節を行います。

ピント調節はボディ向かって右の大きなフォーカシングノブで行います。ノブには使いやすいように傾斜が付けられています。ノブを回すと蛇腹が繰りだし、ピントが変わります。

シャッタースピードダイヤルはフィルム巻き上げのクランク回りについています。

絞りはレンズでセットします。

レンズ交換はバヨネット式です。ボディ下部のロックボタンを押しながらレンズを反時計回りに回すとはずすことが出来ます。取り付けるときはレンズの赤い印とボディの赤丸を合わせて時計回りに回して取り付けます。

またレンズを前後逆さまに取り付けることで近接撮影が可能です。同じように赤い印を合わせて時計方向に回して取り付けます。80ミリ標準レンズをリバースで取り付けると1.5倍の拡大撮影が可能になります。

アオリの操作はボディ右下のレバーで行います。レバーを下に押し下げた状態で蛇腹部分を上下に操作し、レバー横のノブを回してロックします。
通常の撮影では、被写体がレンズの光軸に対して斜めの位置にある場合、レンズを絞り込んでも被写体全域をカバーしきれず、また被写体による画質低下を招くこともあります。このような時にアオリを使用すれば、絞り開放の状態でも斜めの被写体面全域にピントを合わせることができます。これはシャインフリークの法則により光軸を調整してピント面をコントロールする方法でもので、アオリ操作には欠かせない基本操作の一つです。

以上でローライフレックスSL66を終わります。

SL66Eの改良型として発売されたのがこのローライフレックスSL66SEです。
露出計の測光方式が平均測光とスポット測光に切り替えられるようになっています。
また、カメラ本体に露出計の測光機能が内蔵されているのでどのファインダーでもTTL測光が可能です。

1988年に発売されたローライフレックスSL66Xです。これはローライフレックスSL66にTTLダイレクト測光のフラッシュ自動調光機能を組み込んだモデルで、SL66のあとを引きつぎSL66シリーズの基本となったカメラです。現在では生産中止されています。
レンズはもちろんアクセサリーもすべてシリーズ共通のものが使用できます。
