クラカメ探検隊 · 中判
Patent Etui
1. 歴史・機構・蘊蓄(エッセイ・解説)

コンテッサ、ネッテル、イカ、エルネマン、カール・ツァイスが合併してツァイス・イコン社ができたのは1925年のことですが、その2年後に発売されたのがパテント・エツイです。
折りたたむと厚さわずか38mmの、コンパクトなカメラになります。
手のひらサイズでかわいらしいカメラですが、上下へのアオリ機構が付いていることからも、クオリティの高さをうかがえます。
また、パテント・エツイには1段伸前玉回転のピント調節式と、ノブの繰り出しによる正2段伸のピント合わせ式の2タイプがあります。
- 発売:1927年
- レンズ:カールツァイス、テッサー、105mm/F4.5
- シャッター:Nコンパー
- シャッター速度:T、B、1〜1/250秒
- アオリ機構:上下
- セルフタイマー:あり
- 使用フィルム:120フィルム
- サイズ:高さ124×幅93×厚さ38mm
- 重量:約500g
2. 操作方法・メンテナンス・修理のポイント

まずフィルムホルダーにフィルムを装填します。
銀の金具の部分を引き上げながら蓋を開けます。

フィルム巻取りスプールを取り出します。
左にフィルムを、右に空のスプールを入れてからフィルムを巻き取ってたるみを取ります。

スタートマークが出るまで巻き取ったらフィルムホルダーに収めます。
これでフィルムの装填は完了です。

次に、レンズを出します。
ボディ側面のボタンを押しながら、カチッと止まるまで蓋(底板)を開けます。

レンズ部をカチッと音がするまで引き出して固定します。

フィルムホルダーを取りつけます。

構図を決める時はフレームファインダーを使用するのが便利でしょう。
ボディ側面にある①を起こすとフレームの中央が分かりやすくなります。

反射ファインダーです。
90度回転させることができるので、縦位置・横位置どちらでも使うことができます。

①シャッター速度、②絞り値を決め、③でピントを合わせます。
ピント合わせは、まず④の繰り出しストッパーのボタンを強く押しながら③の蛇腹繰り出しノブを動かします。
少し動かしたらストッパーのボタンから手を離して、ピントを合わせます。

①の距離目盛板と②の距離スケール用指針を参考にしてピントを合わせます。

撮影の準備ができたらフィルムホルダーから引き蓋を引きます。
①でシャッターをチャージし、②でシャッターをレリーズします。

セルフタイマー
- レンズ上のボタン①を押しながらシャッターチャージのレバー②を引き上げます。シャッターをレリーズすればタイマーが作動し、数秒後にシャッターが切られます。
③はレリーズ用のネジ穴です。

アオリをかける時など、正確にピントを見たい時はピントグラスを取りつけて使用します。
フィルムホルダーを引き上げて取り外し、ピントグラスを取りつけます。
蓋を開けフォーカシングフードを開きます。

ネジを回して、上下へのアオリを任意でかけます。
穴から白点が見えるところが標準です。
シャッター速度、絞り値を決めたら再びフィルムホルダーを取りつけて撮影します。

ボディをしまう時は、まず①前板のロックボタンを押しながらレンズをしまいます。
次に②を左右同時に押し、ロックが外れたら前板を閉めてカチッと音がするまで閉じます。
いかがでしたか。
コンパクトでかわいらしい外観ですが、いろいろな機能が搭載されているすばらしいカメラですね。
これでパテント・エツイを終わります。
