今回はドイツ・コダック社から1959〜60年に発売されたレチナレフレックスSを見ていきましょう。 コダック社といえばもともとアメリカのメーカーですが、戦前ドイツのカメラメーカー、ナーゲル社を買収、ドイツ・コダック社を設立します。そこで数々の名機が生まれました。1934年に最初のレチナが前蓋の中にレンズが収まるフォールディングカメラとして登場、続いて1939年より普及版のレチネッテ・シリーズも発売されます。そして1956年にコダックレチナでは初めての一眼レフカメラとして『レチナ・レフレックス』が発売されました。これはCシリーズと呼ばれるレンズの前群のみを交換するタイプで、今回ご紹介しているレチナ・レフレックスSのようにレンズ部すべてを交換するタイプ(Sシリーズ)とは異なっています。(フォールディングカメラのレチナでもこのレンズ交換がCシリーズからSシリーズに移行し、外観の大きな特徴でもあった前蓋が消えることとなりました。)全群交換のSシリーズになったことで交換レンズのシステムがさらに充実したレフレックスS。交換レンズにはローデンストックやシュナイダー製のものがあります。 1959年発売/ドイツ・レチナ社35mm判レンズシャッター一眼レフカメラレンズ:シュナイダー、クルタゴン35/F2.8シャッター:シンクロコンパー、B、1〜1/500秒露出計:セレン式サイズ:H98×W134.5×D72mm