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このピコレットというカメラはもともとドイツのコンテッサ・ネッテルという会社が製造していたカメラです。1912年に「ベス単」の愛称で知られる「ベストポケットコダック」が発売され、その人気に乗る形で1920年に発売になりました。1926年にはコンテッサ・ネッテルはイカ、エルネマン、ゲルツと統合しツアイス・イコンとなりますが、その後もこのピコレットは製造が続けられました。このピコレットにはツアイス・イコンのマークが入っていますから、統合後に製造されたものだと思われます。 ピコレットはレンズとシャッターの組み合わせでで数種類が発売されていたようですが、ここで取り上げているテッサーf4.5とコンパーシャッター付きのものは中でも高級機に位置する物で、日本円にして当時180円、単玉付きの安き機種(約25円)に比較すると大変高い物でした。 ピコレットはベス単の欠点ともいうべき点も改良されており、例えば矢来が弱いと言われていたのを左右の棒を渡すことで解消し、また面倒だったフィルム装填もカセット式にし、非常に使いやすい物になっています。 それでは、使い方を見ていきましょう。 発売:1926年 ツアイス・イコン 型式:ベスト判フォールディングカメラ 使用フィルム:127フィルム 画面サイズ:4×6.5センチ レンズ:テッサー75mm/f4.5 焦点調節:前玉回転式 シャッター:旧コンパー1〜1/300秒、T、B ファインダー:前板部反射式ファインダー、針金フレーム式ファインダー フィルム送り:背面赤窓式 フィルム装填:横蓋引き出し式 大きさ:横幅63×高さ120×奥行き30(撮影時86)ミリ 重さ:280グラム