ミノルタは第二次世界大戦前の1937年、国内初の6×6判二眼レフ「ミノルタフレックス」を発売しており、日本では二眼レフの老舗ともいえるメーカーです。ミノルタの二眼レフはレンズが良く、優れた描写力のカメラとして戦前、戦後を通して人気を得てきました。そのミノルタの6×6判二眼レフのスタンダードとしてその後長く世間に愛されるカメラとなったのが、1955年10月に発売された「ミノルタオートコード」です。 「ミノルタオートコード」は優れたロッコールレンズが特徴で、描写性能に優れた写りの良いカメラとして世間に広く浸透していました。 また、通常二眼レフの場合、フィルムは下のフィルム室から上のフィルム室に送る方法をとっていましたが、これだとフィルムが90度に折り曲げられフィルムの平面性が不安定になるという欠点をかかえていました。ミノルタの二眼レフは1955年に発売された「ミノルタコードオートマット」より、フィルムの巻取りを上から下へ送るようにしてこの問題を解決し、これは「ミノルタオートコード」でも取り入れられ以後ミノルタ二眼レフの大きな特徴となっています。 もう一つの特徴として、ローライ型のノブによる前板繰り出し式とは違うヘリコイドレバー直進式の繰り出し形式があります。このヘリコイドフォーカシングは、1953年発売の「ミノルタコード」から取り入れられたものですが、生産上の面からも精度保持の面からも優れておりミノルタは以後この形をミノルタ二眼レフの基本としていきました。 ローライフレックスとは違った魅力を持つ6×6判二眼レフとして、プロの写真家も含め多くのカメラマンに愛用されたミノルタオートマット。今回は、同時発売でセレン露出計内蔵の「ミノルタオートコードL」の使い方を紹介します。 発売:1955年10月 型式:6×6判二眼レフカメラ レンズ:ロッコール75mm/f3.5 シャッター:セイコーシャラピッド、F接点、B1〜1/500秒、LV目盛り付き 焦点調節:ヘリコイドによる前板繰り出し式 フィルム送り:スタートマークによるセミオートマット自動復元、順算式 フィルム巻き上げ:クランク式