今回ご紹介するのはドイツのツァイス・イコンから発売されたボックスカメラです。ボックスカメラといえば、『ボックス・テンゴール』といえるほど有名なこのカメラの原型は1920年代初頭に登場しました。最初はゲルツ社が生産していましたが、その後ツァイス・イコン社に統合、第二次世界大戦後の1954年までの33年間にわたって改良を重ねつつ生産販売されてきました。 当時ボックスカメラは入門者向けと言われ、ボール紙や木材、ブリキ片というローコストな材料で作られていた簡易カメラですが、ツァイスではレンズは描写の良いゲルツ・フロンターを採用したり、精密な金属製のボディを持たせたり、となかなかのつくりの良さで好評でした。圧板によってフィルムの平面性を保つ工夫もなされています。(ゲルツ・フロンターというこのレンズですが、凸平、平凹レンズを平面で貼りあわせるというメニスカス・アクロマートです。) 製造年:1925〜'27頃(ツァイス・イコンから発売された初期のタイプ)6×9判ボックスカメラレンズ:ゲルツ・フロンターF11シャッター:I.T、ロータリーシャッターフィルム:120ロールフィルムサイズ:H105×W73×D115