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ニコンS2 s型までのようにI型の改良型ではない、全く新しいニコンカメラとして発表されたのがこのS2です。 同年の8ヶ月前に、新型の「ライカM3」が発売されたため発売予定が大幅に遅れましたが、 フィルムの巻き上げ・巻き戻しに、国産のレンズ交換式35mmカメラとして初めてのレバー式、クランク式を採用するなど 当時としては先進的なカメラでした。なお、レバーはラチェット式の1回巻き上げで、ライカM3の2回巻き上げとどちらがいいか 話題になりましたが、クランク式巻き戻しの迅速さはライカに勝ると評され、やがてライカもラチェット式1回巻き上げになる程でした。 このS2、画面サイズは24x36mmのライカ版になり、ボディーは軽合金ダイカストの採用によって S型に比べると75gも軽く、なおかつ堅牢に進化しました。 ファインダーは光像式が等倍で採用され格段に明るく見やすくなりました。距離計は従来と同じ一眼式ですが、ファインダー倍率が等倍のため、 従来型に比べて約70%も基線長が伸びており、大きくて明るい距離計像とあいまって、ピント精度は大幅に向上しました。 シンクロ接点がJIS・B型に改められ、タイムラグ可変式であらゆる閃光電球に同調し、ストロボは最高1/50秒で同調します。 当時この新型S2に対する欧米の関心は高く、米国大都市ではライカM3に匹敵する売れ行きで、カメラの輸入が禁止されていた英国でも 雑誌で特集されました。また、フランスでは国内でニコンS2を売っていないので、グラフ誌「パリ・マッチ」では 米国まで出かけて、S2を買っていたといいます。 ●発売:1954年12月10日 ●型式:35mmフォ-カルプレ-ンシャッター式距離計連動カメラ ●画面サイズ:24x36mm ●シャッター形式:横走フォーカルプレーン ●シャッター幕:ゴム引き絹羽二重 ●シャッター設定:回転式ダイヤル高低速同軸 ●シャッタースピード:T・B・1〜1/1000秒 ●シンクロ接点:FP〜X ●ファインダー構成:採光窓式等倍&逆ガリレイ・アルバダ式 ●ファインダーフレーム:等倍系・ブライトフレーム50・85・105・135mm 逆ガリレイ系・全視野28mm・ブライトフレーム135mm ●露出計連動:不可 ●フィルム巻き上げ:小刻みレバー ●フィルム巻き戻し:A・Rリング・クランク ●枚数計:手動復帰 ●大きさ(ボディーのみ):136x78x43.5mm ●重さ(50mm/F1.4付)700g